【HQ】まるで白雪姫。【黒尾鉄朗】 (ページ15)

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「よし、…」

4人分のドリンクを作り終え体育館に戻ろうとすると、そこには一人の女子の姿があった

妃海「A♡」

「うわ」

あまりにも気持ち悪い呼び方だったので反射的にそう言ってしまった

妃海「うわってひどーい！♡ちょっと夜久君に頼まれた物の場所がわかんなくって、Aに聞きに来たの」

トイレと保健室であんな一方的に怒っておいてよくそんな態度を変えられるなぁ…

「あー私忙しいから。頑張って」

即答で返し、妃海の横を通ろうとするも

妃海「えー！来てよー！」

「………あーもうわかったよ…」

妃海「ありがと♡♡音駒の部屋にあるらしいんだけどね？全然見つからなくてー」

などと言い訳を延々と話している妃海と一緒に音駒の部屋へと向かった

音駒の部屋は…あ、あれか

ドアを開けるとそこには

ビリビリに破かれた雑誌や、ぐちゃぐちゃにされたユニフォームが散らかっていた

一瞬動揺したが、妃海に何があったか知らないか聞く

「ちょっと妃海これ…」

妃海「ｷｬｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱ!!!!!!!!!」

「え、な、な、なに…？？」

いきなり妃海が悲鳴をあげた

妃海「誰か助けてぇ！！！」

驚くにしてもリアクションが大袈裟すぎる

妃海の悲鳴が聞こえてきたのか、皆慌てて集まってきた

夜久「どうしたー！？」

妃海「うぅ…夜久君…」

黒尾「……おい、どういうことだよこれ」

部屋を見た黒尾がそう聞いた

妃海「うぅ……ﾋｯｸ…私Aがやってるの偶然見てっ……」

泣きながらそう言う妃海を見て、一瞬で理解した

……私を陥れるためだけにここまでやったと。

国見「何言ってるんですかA先輩はそんなこと…」

及川「国見ちゃん、皆分かってるから」

国見がすかさず私を庇おうとする横で及川が小声でそう止めた