虹色七侍のうさぎさん【JW】3 (ページ2)

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紅一点、家族の話です 2 ページ2

▽宇佐side

私がジャニー社長の熱意に折れ、前代未聞のことに世間が混乱しているとき。

「え…？」

母「ごめんね、A」

母と父の海外転勤。

母と父は作詞作曲家。

そこそこ有名人だから業界で知らない人はいないと思われる。

しかし、私が芸能活動をしていくうえで色々誤解が生まれる可能性があると両親のことは公表していなかった。

「私は?!」

父「雪と一緒にこっちに残りなさい」

母「これから事務所が変わって大変だと思うけど雪とがんばって。」

そう言われると何も言えなかった。

それから一週間後、ママとパパは海外へと旅立った。

日本に残されたのは今世間を騒がせている5歳になる女の子と普通の男子高校生。

空港で見送った後もお兄ちゃんの顔は今でも忘れない。

何かを決心したような顔。

私がジャニーズに入ってからすぐのこと。

社長から呼び出された。

「え、お兄ちゃん?!」

いるはずのない、お兄ちゃんがいた。

兄「A…俺、母さんと父さんの後追いかける」

「え…？」

お兄ちゃんの言葉が頭の中にこだました。

「私は…？」

震える声を押えながら聞いた。

社長「大丈夫、youが大きくなるまで僕が面倒を見るよ。
youたちのご両親にはお世話になっているしね」

兄「ごめんな、A。俺、二人のそばで勉強したいんだ。
立派な作詞作曲家になるために。」

お兄ちゃんの夢は知っていた。

ママとパパを超える作詞作曲家になること。

お兄ちゃんは私が落ち込んでいるといつもそばにいてくれた。

シスコンのお兄ちゃんだけど、頼れるお兄ちゃんだった。

「…絶対に立派になってや。いつか兄妹作品とか作ろうね」

こうしてお兄ちゃんも二人の後を追っていった。