最強と元最強２【五条悟】

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五条「ただいま」





そう言ってリビングに入って来た五条はどこか疲れているようにも、苛立っているようにも見えた。





『…？大丈夫か？』





五条「何が」





『雰囲気がいつもと違う』





いつもなら疲れの“つ”さえも感じさせない振る舞いをするというのに。





五条「そう思うなら気安く話し掛けないでよ、ムカつくから」





『は…？心配した人間に対して言う言葉がそれ？』





五条「頼んでもないのに心配すんなよ。鬱陶しい」





本当に何があったのか心配になる気持ちと、酷い物言いをされて腹が立つという気持ちが競り合う。





『今日普通の任務だったよね？』





五条「……そうだけど」





『任務以外に何かあっただろ。話せ』





五条「なんで？僕が何してようとお前には関係ないだろ」





『それ五条が言える立場じゃねーから』





私の行動は何から何まで把握しようとする癖に、自分の行動は知られたくないなんてふざけんな。





『五条』





ソファから立ち上がり、五条の正面に立つ。





五条「なんだよ」





『…友達やめるか？』





五条「……は？」





こんな言い方するのは狡いかもしれないけど。





『悩み事の一つも話せないような相手、友達とは言えないだろ』





目隠しをしていても五条が驚いているということは分かって。





五条「待って。ごめん…冷静じゃなかった。…嘘でもそんなこと言わないで」





謝った五条の雰囲気はいつものものに戻る。




その様子に私は違和感を覚えた。




まるで五条が五条じゃないような、そんな違和感。





五条「本当にごめん。悪いと思ってる」





珍しく申し訳なさそうに凹むものだから、謝るなら別にいいなんて言ってあっさり許してしまう。





五条「でも何があったのかは言えない」





『…そう』





五条「A、抱き締めていい？」





『……好きにしろよ』





今更ハグくらいで動揺はしないし、元気がない五条の要望を聞かないほど情を抱いていないわけでもない。




何も話してくれない五条にも、絆されてしまった自分にもムカついた。




私が足手纏いだから…なんだろうか。






・







誰もいないリビングで呟く。






五条「……何言ってんだよ、僕は」

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