最強と元最強【五条悟】

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五条「よく出来ました〜」





五条はそう言ってから、自身の唇を強く噛んだ。





『は？！え？何してんの？』





五条の唇に血が滲む様子を見ていれば、唐突に。





『…っ？！』





口の中に広がるのは血の味。




さっきよりも近い場所に五条の顔があり、キスをされているのだと気付いた瞬間、唇に痛みを感じた。




じたばた暴れてはみるが、男である五条に女である私が敵う筈もなく。





五条「ん…ま、こんなもんかな」





『…！何が“ま、こんなもんかな☆”だよ！！ふざけんなよ！？』





けろっとした表情で言った五条に腹が立たないわけがなく、口の中には未だに血の味が残っているし、唇も痛い。





五条「血の盟約って知らない？」





『知ってるわ！！でもやり方違うだろうが！』





五条「だって僕なりにアレンジしたからね。ワインも飲めないし？」





自分が悪いことをしたとは微塵も思っていないようで、五条はニコニコ笑っている。





『だからって…！だからってキスする馬鹿がいるか！しかもお前私がファーストキスだって知った上でやったわけだろ！？』





五条「最高だよね。他人の初めてを奪うのって」





『……………マジ◯ねや』





五条「うっわ、友達に対して酷いこと言うよね」





『それはお前もだから。っていうかどの面下げて言ってんだ』





“この面〜”とか言い出す五条に向けてクッションを投げつけるが、当たることはなく。




舌打ちをする私の正面に再び座って、五条は足を組む。





五条「血を用いた意味、分からないとは言わせないから」





『……それは海外の話で』





五条「一緒だよ。儀式は儀式だ」





血の盟約…それは約束等を更に強める為に行う儀式であり、お互いの血をワインなどに混ぜて飲む。




その儀式を何故五条が選んだのか私には分からない。




ここは日本だというのに。




というかあれを儀式と呼べるのかも甚だ謎である。




だってキスして互いの血を口に含んだだけだぞ？




思い出したらまたムカついてきた。





『好きでもない女とよくキスできるよな、男って』





五条「何拗ねてんの。高が儀式じゃん」







どうしてこんなに苛々しているのか分からなかった。

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