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上がってと促されて入った部屋は恐らく五条の住んでいる部屋なのだろうが、今はそんなことどうでも良かった。
今考えるべきことは生き延びる方法と、五条にこき使われない方法である。
五条「昔さ、お前に首から下凍らされた従者いたじゃん?」
『あー…いたような、いなかったような』
中途半端な返事をした私の隣で五条はスマホを弄り、“あったあった”と謎の発言をしたかと思えば、私にスマホの画面を見せた。
五条「土下座してって言ったら忠犬みたいに秒ですんの。マジ笑ったわ」
『お前の人間性を疑ったわ、この写真で』
土下座している従者を背景に、五条がピースサインをしていた。
五条「とまあ前置きはこれくらいにしといて」
『永遠に前置きでもいいんだよ?』
五条「自分がどれだけ無責任なことしたか分からない程馬鹿じゃないだろ」
『ナチュラルにスルーした挙句、さっきの会話との温度差が大きいな、おい』
五条は私の正面に座り、目隠しを取ることなく聞いてくる。
『…それは悪いと思ってるよ。…夏油の死をすぐ近くで見て、親しい人が死ぬ恐怖を知った。見たくないと思ってしまった。だから逃げた。ホントごめん』
五条「…“俺”の傍にずっといるって言った癖に、あっさりいなくなりやがって」
『それは…!だから…』
五条「悪いのはお前だよ」
立ち上がった五条は私のすぐ傍に来て、ドサッという音がしたかと思えば、私は五条に押し倒されていた。
『…は?』
五条「……僕の傍から離れないことを誓うか、今この場で僕に殺されるか選べ」
『…………ちょ、ちょーっと待って五条』
五条「無理。待たない。さっさと選べ」
落ち着け、A。
後者を選べば私は確実に御陀仏だ。
今の五条がマジだということだけは分かる。
『こ、高専に戻れって言ったのは五条じゃん。私が後者を選んだ場合、私は高専に戻れなくなるけど』
五条「馬鹿なお前にも分かるように言ってやるよ。Aが高専に戻るのは二の次で、重要なのはお前が僕の傍にいるか否かなんだよ」
つまるところ、私が五条の傍にいると誓わなければ、高専に戻るどころか生きてここから帰れないということで。
え、待って。
マジでコイツどうした?
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刹葉(プロフ) - 雫さん» そうですね。正確に言うと2017年の12月25日に姿を消してます (2021年3月28日 21時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
雫(プロフ) - 行方不明になって8ヶ月…。ヒロインが失踪したのは高専を卒業して何年か過ごしてからと言うことですか? (2021年3月28日 18時) (レス) id: f14f35c784 (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - るかさん» コメントありがとうございます!最高+大好き+生きる糧だなんて言ってもらえて非常に嬉しいです…!褒め言葉のオンパレードですね(°▽°)これからも頑張るのでよろしくお願いします!! (2020年12月19日 20時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
るか(プロフ) - もう最高です、作者様の作品大好きです生きる糧です( ; ; )応援してます! (2020年12月19日 20時) (レス) id: 3f4057723b (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - ゆうこさん» こちらこそ読んでいただき、更にはコメントまでいただきありがとうございます!これからも楽しく読んでいただけるよう頑張りますので、宜しくお願いします!(^^) (2020年12月18日 10時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹葉 | 作者ホームページ:http://mobile.twitter.com/fall_0613
作成日時:2020年12月12日 23時