最強と元最強【五条悟】

☆忘却 ページ45

五条「…何された」





目を開けて十秒も経たないうちに聞かれた。




いつもより低い声。





『…霞は』





五条「無事だよ。だから僕の質問に答えろ。何された？なんで倒れてた？」





『……分からん』





何をされたのかも、誰に会ったのかも覚えていない。




覚えているのは五条にとって私が足手纏いだと言われたことだけ。




おかしい。




誰に会ったのか覚えていない癖に、何を言われたのかは覚えている。




記憶を操作する系統の術をかけられたか。





『頭は多少痛いけど怪我したわけじゃないし、大丈夫だよ』





五条「どうして怪我してないって言い切れるの？何も分からないんでしょ？」





『こえーよ。なんで怒ってんだよ』





五条「そりゃあね。先陣切った癖に一向に帰って来ないし、なんの連絡もない。挙げ句の果てには生徒と一緒に倒れてるなんて本当なら怒りを通り越して呆れるところだよ。それでも特級呪術師？」





五条の言う通り、今回は紛れもなく私のミス。





五条「今回は運が良かっただけで、本来なら二人とも殺されてた。分かってんの？」





普段はふざけ倒している五条が真剣に怒るというのは珍しいことであり、それだけ危なかったということ。





五条「はぁ…冥さんもA達のことは見てなかったって言うし…」





『ごめん。特級呪術師として失格だわ。…一級にでも降格させてもらおうかな』





五条「冗談言わないでくれる？誰だよ、僕の負担を増やす為に戻って来たんじゃないとか啖呵切ってた奴」





そうだった。




そんなこと言ってしまったんだった。





『交流会は？』





五条「明日、生徒達に聞いて決めるよ」





『明日…？』





五条「あー…言い忘れてたけど、お前昨日は一日中寝てたから」





昨日…？





『Ｙｅｓｔｅｒｄａｙ？？』





五条「そう。昨日」





『じゃあ今日は…？』





五条「休み」





私一日中高専の医務室で寝てたの…？





五条「お前の看病、誰がしたと思う？まぁ看病といってもずっと傍についてるだけなんだけど」





『そりゃ硝子でしょ』





五条「残念、不正解。正解はグットルッキングガイかつＧＴＧである僕でしたー。因みに硝子は放置しといても大丈夫だろとか言ってどっか行ったよ」







硝子を親友だと思ってるの私だけかもしれない。

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