最強と元最強【五条悟】

☆邂逅 ページ43

『先陣切ったからには死者出さないようにしないと』





まずは呪力感知で誰がどの位置にいるのか探らないといけない。




呪力感知は他の人と比べても得意な方だと自負している。




というか得意になるよう躾けられた。




私が呪霊や人を凍結させる為には相手が何処にいるか知る必要がある。




その為には高度な呪力感知が必須。





『…いた』





こんな時五条みたいに浮かべたら便利なんだけどなぁ。




私の場合は走るか、氷の上を滑るかしかない。




全力で走るのも嫌だし、こうなったら…





《氷結呪法____氷園》





これを初めて見た時、硝子は綺麗だと言った。




夏油は私が敵じゃなくて良かったと言った。




五条は中途半端だと言った。




その言葉に私はムカついたけど、事実だった。




あの頃は敵味方関係なく凍らせていたから。




でも今は違う。




あくまでも対象は呪霊。





『学生の保護が終わるまで凍っててくれればいいけど』






・






私が最初に向かったのは寝ているであろう霞の所。





『かーすみちゃーん』





軽く揺さぶってみるが起きる気配はない。




多分狗巻の呪言なんだろうけど、やっぱ強力だな。




霞を背負って目指すのは先程降ろされた帳の外。




五条は何をしているのか。




アイツが来ればさっさと終わるのに。





『……あ』





視界に映るのは凍った呪霊。




私の目的はあくまでも学生の保護で呪霊を祓うことじゃない。




でも見つけてしまった以上は祓わないといけない。





『めんどくせ……解』





バラバラに砕けたことを確認して再び歩き始める。




部外者…というか確実に呪術師である私達と敵対している襲撃者は何が狙いなのか。




内通者がいる以上、こちらに五条がいるのは分かっていた筈。





「A」





『…は……？』





私の目の前に現れ、当然のように名を呼んだのは去年に死んだ筈の、私が呪術師をやめるきっかけになった男。





『夏油…？』





夏油「久しぶり」





有り得ない。





夏油「相変わらずAは顔に出やすいね」





『なんで生きてる？』





夏油「それは教えられない。私は少し話をしに来たんだ」





そう言って夏油は笑った。

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