最強と元最強【五条悟】

☆その名はリンリン ページ13

五条「あれ、リンリンじゃん」





寝室のベッドに座ったままの五条は彼女を見てそう言った。





鈴「悟〜！また居留守使おうとしたっしょ！」





五条「ごめんごめん、まさかリンリンだとは思わなくて」





なんだ、この衝撃的光景は。




二十八歳の成人男性が十以上は離れているであろう女子をリンリンと呼んでいる。




え、ヤバくない…？




五条って女なら年齢気にしないタイプ…？




好感度が凄く下がったんだけど。





五条「A、ちょっと来て」





手招きされたので渋々ベッドの近くまで行くと、手を引かれてバランスを崩し、五条に抱き留められる。





五条「ヒュ〜。Aってば大胆」





『……はぁ』





反論するのも面倒で溜め息をつく。





五条「…一応、誤解されないよう言っとくけど。学生に手を出すほどゴミじゃないから、僕」





『…………ワカッテタヨ』





五条「嘘つけ、クソコアラ」





ぺしっと軽く頭を叩かれた私の前で、リンリンと呼ばれた彼女が見つけた〜と歓喜の声を零す。





彼女の手にはピアス。





『彼女とはどういう関係だよ』





五条にしか聞こえないようにこそっと聞く。





五条「家事全般をアルバイトとしてやってもらってたんだよ。ほら、僕忙しいし」





『法に触れない？それ。あと忙しい人はこんな時間まで寝てないだろ』





こそこそと話をしている私達…というか主に私を見て女子が首を傾げる。





鈴「さっきも聞いたっすけど、お姉さんは悟の新しい遊び相手さん？」





『遊び相手って…そこは絶対違うかなぁ。あはは…』





と五条を侮蔑の目で見る。




対して五条は何を思ったのか私を背後から抱き締めた。





五条「遊び相手じゃなくて、僕のコアラかな」





『だから人外扱いすんのいい加減にやめろよ、お前。あと何気に“僕の”を強調すんな』





僕の下僕とか犬ならまだ分かる。




なんだよ、僕のコアラって。




コアラの◯ーチか？あん？





鈴「おかしいと思ったんすよ、遊び相手の人が朝まで悟の家にいるの。遊び相手じゃないなら納得ですな！」





この子独特な喋り方するんだなぁ。




面白い。





五条「面白い子でしょ、リンリン」





『平然と私の心を読まないでくれるかな』





無下限呪術の他に他人の心を読む術式まで持ってんじゃないの、コイツ。

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