最強と元最強【五条悟】

☆どちら様？ ページ12

違和感に目を開ける。




自宅の天井ではないことに一瞬動揺したが、昨日の出来事を全て思い出し、溜め息をついた。




結局私は五条と暮らすことになり、嫌々同じベッドで就寝し今に至るというわけだ。




違和感の正体は私のお腹辺りに回されている手。





『おい、五条』





五条「………」





起きる気配はない。




私はお前の抱き枕になった覚えはないぞ。





『起きないとキスするぞ』





なんて。




五条に何の効果もないことは分かっているけど。





五条「…勝手にすれば」





『…ごめん、キスじゃなくてキルしていい？』





起きてんなら素直に返事しろや。





五条「あー…？…はいはい」





寝惚けてんの？




それともただ寝起きが悪いだけ？




いや、後者か。





『高専行くんだろ。こんなゆっくりしてていいわけ？』





時刻は九時を過ぎていた。





五条「……いいんだよ。…今日は皆自主練だし」





『おい、教師』





なんとか五条の腕から逃れ、服を整える。




私服に着替える為に寝室から出ようとした私の耳に入って来たのは呼び出し音。





『五条、誰か来たけど』





五条「…出なくていいよ…居留守使うから」





『最低だな』





今外にいる人は五条に会いたくてうずうずしているかもしれないというのに。




居留守される側の気持ちを考えやがれ。





『じゃあ私が出るから』





五条「はー？勝手なことすんなよ…」





渋々起き上がった五条の髪はいつもより跳ねが酷く、笑いそうになってしまい慌てて口を塞いだ。





『と、取り敢えず出てくるから…ぷふっ…』





睨まれた気がするが、所詮は“気がする”なので気にしないでおこう。





『はい、五条に何か用ですか？』





ドアノブに手を掛けて笑顔を浮かべた私の前にいたのは派手な女…子？





？「あ、ども〜！新しい人？」





新しい人って何？




五条…もしや…




結論が出るまでほんの数秒。





『屑が』





マジで女を取っ替え引っ替えしてやがった。





『私はただの同期です。それで？何か？』





？「実は一昨日忘れ物しちゃって！上がってもいいっすか？」





『あ、どうぞ』





普通に感じが良さそうな子だったので、私は彼女を通したのだった。

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