六十 ページ15
五条「…というわけなんですけど。どうします?」
夜蛾「本人に直接話を聞け」
五条「僕が?」
Aは僕を嫌っていないと恵は言っていたが、嫌われていないからといって急に優しくしても不審がられるのがオチ。
夜蛾「他に誰がいる」
五条「僕がAにどういう態度取ってるか知ってるくせにそんなこと言います?」
夜蛾「自業自得だろう。…それに呪霊と通じていないのならば誰であろうと関係なく報告する筈だ」
五条「僕そろそろ自責の念でノイローゼになりそうなんですけど」
せっかくAは蒼社家から解放されたというのに、僕はまだ彼女を突き放す為の演技をしなければならない。
もう突き放す必要なんて、冷たくする必要なんてないのに。
とはいえ説明もなしで天音を混乱させることも避けたかった。
五条「学長、今度奢ってくださいよ」
夜蛾「悟の働き次第だな」
五条「はいはい…頑張りますよ」
・
学長室から出て、ふと窓の外を見れば、混ざり気のない綺麗な緋色が見えた。
急いで屋外に出る。
五条「…蒼社A、話がある」
『私にはありませんよ、五条様』
彼女の態度は以前と変わらない。
感情の読めない瞳。
なんでだよ。
君はもう僕を敬う必要も理由もないだろ。
五条「今日、何処に行ってた?」
彼女に対する不満は、そのまま言葉に上乗せされて。
彼女がどう思っていようと、僕がどれだけ彼女の態度に不満を持っていようと、この質問にだけは答えて欲しかった。
言うか言わないかで僕達がこれから執る行動は変わってくるのだから。
『何処に行こうが私の勝手だと思うのですが』
五条「言えない理由でもあるのかよ」
咄嗟に出た言葉だった。
『言わないといけない理由があるんですか?』
Aは表情を変えない。
五条「……蒼社」
呪霊と会っていて報告しない理由なんてない。
彼女が内通者でも裏切り者でもないのなら。
『…何故、私が何処にいたか知りたいんですか?』
五条「…いや、もういい」
僕に話したくないだけで、もしかしたら他の人間には話すかもしれない。
そんな小さな希望を抱いて、僕はAと別れた。
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よっちゃん - すきすぎたやばいですね。。。。。。別の作品も頑張ってください (2021年2月6日 3時) (レス) id: 7291101692 (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - レネットさん» コメントありがとうございます!アリスのことを好きになっていただけて作者は嬉しいです…レネットさんの心を満たせるような小説を書けていたなら心から良かったと思います(^^)こちらこそ読んでいただきありがとうございました! (2021年1月6日 11時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
レネット(プロフ) - 最初読んだとき、アリスちゃん嫌な奴だな…と思ってたけど最後まで読んだらアリスちゃんを好きになっしまった…。そして七海のハンカチを差し出すという紳士的な振る舞いがカッコよすぎて心が満たされました。面白かったです。ありがとうございます。 (2020年12月31日 23時) (レス) id: ec8ec8961f (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - ccndayoさん» コメントありがとうございます…!とても嬉しいです。ccndayoさんの好みに合う小説を書けていたなら、良かったです(^^)こちらこそ読んでいただきありがとうございました! (2020年12月28日 12時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
ccndayo(プロフ) - 読ませて頂きました。もうホントに素敵すぎて途中途中感情移入しちゃって涙が出ました。小説も夢小説もたくさん読んできましたが私のどタイプな内容でした…。素敵な作品をありがとうございます (2020年12月27日 22時) (レス) id: 625a5cfc03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹葉 | 作者ホームページ:http://mobile.twitter.com/fall_0613
作成日時:2020年12月1日 16時