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『お母さん、私人形なの?』
夜、母の部屋を訪ねて、自分自身の考えも纏まらないまま母に聞いた。
紅葉「…誰かに言われたの?」
『うん。自分で考えずに他人の指示で動くのは人形だって』
母は酷く驚いた様子で、けれどどこか安心したように私を抱き締めた。
紅葉「ごめんね。私が弱いからAに重荷を背負わせてしまって…」
母の口から出た弱いという言葉に、私は驚きを隠せなかった。
何故なら蒼社の家で1番強いのは母だったから。
紅葉「人形…人形か。今までは確かにそうだったかもしれない」
『え』
紅葉「でも今からは違うよ。人形は自分が人形だってことに気付かないもの。…A、自分がしたくないことはしたくないって言っていいの。したいことはしたいと言っていいの」
『自分がしたいと思うこと…』
その時はまだ何も思い浮かばなかった。
自分が何をしたくて何をしたくないのかなんて今まで人形のように生きてきた私には難しくて。
紅葉「あ、そうだ。Aに人形だって言った子のこと分かる?」
『悟君だって。苗字は教えてくれなかった』
母は悟という名を聞いて少し驚いていたようだったけど、そっかぁ〜とすぐに微笑んだ。
紅葉「あら、もうこんな時間。Aは早く寝なさい。夜更かしすると背、伸びないよ」
『うん!』
母に促されるまま私は部屋を出た。
?「どういうつもりだ、紅葉」
紅葉「どうもこうも見た通りのままだけど。貴方達はあの子を縛りすぎなの」
?「今まで看過していた奴がよく言う」
紅葉「そうね。…でも口には気を付けろ?当主でもないのに偉そうに。ここの家の人間全員殺すくらい私には訳ない」
?「調子に乗るなよ」
紅葉「あらあら、そのまま返すわ」
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茜雫 - 書いている世界観が好きで何度も読んでいるので閲覧数の15分の1は私かもしれないです笑 (2020年11月29日 22時) (レス) id: e0dca7bd69 (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - 茜雫さん» えぇ!前作から見てくださっていたんですか!?ありがとうございます!とても嬉しいです…これからも面白いと思ってもらえるよう、無理せず頑張ります!コメントありがとうございました!! (2020年11月29日 18時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
茜雫 - 初めまして!続きを楽しみに読みながら…何度も読み返してます笑前作同様、とても面白い内容なので、続きが楽しみです!無理せず更新頑張ってください! (2020年11月29日 18時) (レス) id: e0dca7bd69 (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - いーすとさん» コメントありがとうございます!世界観が好きだと言ってもらえて嬉しいです。前作とは少し違う感じに書きたいなと思っていたので…これからも頑張らせていただきます!!ありがとうございます!! (2020年11月29日 16時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
いーすと - なんか世界観がめちゃ好きです!これからも頑張って下さいね!読み続けます!! (2020年11月29日 15時) (レス) id: e22cc70c93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹葉 | 作者ホームページ:http://mobile.twitter.com/fall_0613
作成日時:2020年11月27日 21時