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二十四 ページ25

Aside




私が高専に編入して来てから半年程が経ち、季節は春を迎え、私は無事2年に進級した。



五条悟の私への態度は特に変わることもなく、彼の婚約者である有栖院は私を見かける度に皮肉を言ってきた。



しかし傑君や硝子ちゃんとの関係は、私からすると良好と言っても良いくらいで、高専では特に大きな問題もなく順調に過ごせていた。





『…もしもし、Aですが。…母は』





電話の相手は非常に申し訳なさそうに、未だ目を覚ましませんと言った。





『そうですか。母のことよろしくお願いします』





携帯をしまって教室に向かおうとした私の進行方向にいたのは五条悟と有栖院扇。



五条悟は私に気付くとすぐに目を逸らして、有栖院を見た。





有栖院「悟、キスしてよ」




五条「……前にしただろ」





どうして2人がこんな人気のない場所にいるのかと思ったらそういう理由か。





有栖院「前は一瞬だったじゃん。長いのがいい」




五条「無理。そういう気分じゃない」





五条悟の態度から見て私が思うのは、彼は有栖院という人間に対してそこまでの好意を抱いていないということ。



互いの両親が勝手に決めた相手。



その点では五条悟と私は少し似ているのかもしれない。



私に婚約者ができたら、私もきっとあんな風になる。





有栖院「お願い、悟」





顔を逸らす五条悟にせがむ彼女。



彼女にとって五条悟と婚姻することは利益しかない。



家の為なのか自分の為なのかそれは分からないけど。





『…五条様、夏油さんが急用だと探しておりました』





ポケットに突っ込んでいた五条悟の手を引いて、その場を後にした。



一瞬目に入った有栖院の表情は歪んでいて、私は彼女が嫌いなので正直清清した。





五条「傑は?なんて?」





さっさと手を離せとでも言われるかと思っていたのに、彼の口から出たのは予想外の言葉。





『嘘ですよ』




五条「は?」




『…五条様の彼女への態度を見て引き離した方がいいと判断しました。勝手なことをして申し訳ありません』





表情を窺えば、彼は少し驚いていた。





『五条様は私の手を引いて、外に出て、自由を教えてくれた。……とても嬉しかったんですよ』





彼の手を離し、彼の方を振り向くことなく教室へ向かった。









五条「……なんで…今更そんな…」

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茜雫 - 書いている世界観が好きで何度も読んでいるので閲覧数の15分の1は私かもしれないです笑 (2020年11月29日 22時) (レス) id: e0dca7bd69 (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - 茜雫さん» えぇ!前作から見てくださっていたんですか!?ありがとうございます!とても嬉しいです…これからも面白いと思ってもらえるよう、無理せず頑張ります!コメントありがとうございました!! (2020年11月29日 18時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
茜雫 - 初めまして!続きを楽しみに読みながら…何度も読み返してます笑前作同様、とても面白い内容なので、続きが楽しみです!無理せず更新頑張ってください! (2020年11月29日 18時) (レス) id: e0dca7bd69 (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - いーすとさん» コメントありがとうございます!世界観が好きだと言ってもらえて嬉しいです。前作とは少し違う感じに書きたいなと思っていたので…これからも頑張らせていただきます!!ありがとうございます!! (2020年11月29日 16時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
いーすと - なんか世界観がめちゃ好きです!これからも頑張って下さいね!読み続けます!! (2020年11月29日 15時) (レス) id: e22cc70c93 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:刹葉 | 作者ホームページ:http://mobile.twitter.com/fall_0613  
作成日時:2020年11月27日 21時

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