十 ページ11
私が蒼社家から出て行く当日の夜、荷物を纏めていれば、母が唐突に言った。
紅葉「Aにだけ教えてあげるね。蒼社と五条の本当の関係」
『本当の関係?』
蒼社の人間は五条に助けられたから今まで彼らに尽くしてきた…と私はそう教えられていた。
紅葉「私達の祖先は緋の術師って呼ばれていたんだけど…」
ある呪霊に襲われて死にかけていた緋の術師は、五条家の術師に助けられ、2人は恋に落ちた。
その五条家の術師は、今代の五条家次期当主__五条悟と同じで六眼と無下限呪術の抱き合わせであったらしい。
故に絶大な力を持っており、身分的にも力的にも彼らが一緒になる未来はなかった。
そこで緋の術師は一緒になれずとも、傍にいられるよう蒼社家を作ったのだとか。
私達の髪が赤いのは、生まれ変わってもまた見つけてもらえるようにと緋の術師が自分の血に呪いを掛けたから…と母は話してくれた。
『…そんな夢物語みたいなことあるの?』
紅葉「Aってリアリストなのね…」
『そもそも生まれ変わったとしても蒼社の人間として生まれ変わるかは別問題だよね?』
紅葉「…まぁ、確かにそうだけどね…?でもほら、そこは運命力で…」
五条と聞くとどうしても思い浮かべてしまうのは、あの日の彼の冷え切った目。
今でも何であんなことになってしまったのか分からない。
『少なくとも私が生まれ変わりっていうのはないね。五条様に…嫌われてるし』
自分で言ったくせに心臓がキュッと締め付けられるような感覚を覚えて、さっさと忘れるように頭を振る。
紅葉「…A…」
母が心配そうな声を零したその時、襖が勢いよく開いた。
?「案外元気そうだな、紅葉。…こいつがお前の娘か?」
紅葉「…はぁ…甚爾…もう少し情緒のある登場の仕方できないの?」
母が甚爾と呼んだその男は口元に傷がある長身の男で、何故か彼からは呪力を欠片も感じられなかった。
『この人が…?』
母の言っていた宛てなのだろうか。
紅葉「そう。伏黒甚爾。普段は碌でなしだけどやる時はやる奴だから」
甚爾「帰るぞ」
1521人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
茜雫 - 書いている世界観が好きで何度も読んでいるので閲覧数の15分の1は私かもしれないです笑 (2020年11月29日 22時) (レス) id: e0dca7bd69 (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - 茜雫さん» えぇ!前作から見てくださっていたんですか!?ありがとうございます!とても嬉しいです…これからも面白いと思ってもらえるよう、無理せず頑張ります!コメントありがとうございました!! (2020年11月29日 18時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
茜雫 - 初めまして!続きを楽しみに読みながら…何度も読み返してます笑前作同様、とても面白い内容なので、続きが楽しみです!無理せず更新頑張ってください! (2020年11月29日 18時) (レス) id: e0dca7bd69 (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - いーすとさん» コメントありがとうございます!世界観が好きだと言ってもらえて嬉しいです。前作とは少し違う感じに書きたいなと思っていたので…これからも頑張らせていただきます!!ありがとうございます!! (2020年11月29日 16時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
いーすと - なんか世界観がめちゃ好きです!これからも頑張って下さいね!読み続けます!! (2020年11月29日 15時) (レス) id: e22cc70c93 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:刹葉 | 作者ホームページ:http://mobile.twitter.com/fall_0613
作成日時:2020年11月27日 21時