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『じゃあ家入さん、よろしくね』
私の組み手の相手をしてくれるのは傑君達のクラスメイトである家入硝子。
女子だし礼儀正しいこともあって、彼女の名前は覚えていた。
因みに傑君達と授業に戻った私を見て、先生がよからぬことを言おうとしたので、“勘違いだったみたいです”と笑顔で黙らせておいた。
家入「よろしくお願いします、二条先輩」
『うん』
笑顔は大事だ。怒られている時とか以外ならいつでも使えるし、好印象を得られる。
夜蛾「始め!」
二年の担任であるゴツい先生(名前は忘れたが虫の漢字が入ってた気がする)の号令と共に術式を発動して家入さんとの距離を詰め、彼女を容赦なく投げた。
家入「痛ぁっ!?」
投げられた家入さんは涙目でそんなことを言う。
『ごめんね…加減はしたつもりなんだけど…』
勿論嘘である。
「今の見えたか…?」
「ううん、全然見えなかったぁ…」
「流石二条さん!!」
クラスメイト三人がこそこそ話しているのが聞こえる。彼らの階級では見えなくて当たり前というか、見えたら怖いというか。
因みに三年の中で一級呪術師なのは私だけで、あとの三人は……何級だったっけ?二級以下であることは覚えているんだけど。
クラスメイトに関心がなさすぎるのは仕方ない。特出しているところもないし。
強いて言うなら花子のキャラの癖が強いくらい?
『家入さん大丈夫?』
さて、自分の出番も終わったことだし、後は授業が終わるのを笑みを浮かべて待つだけだ。
五条「流石俺のA」
誰がお前のやねんと思いつつも、口調は崩さず、しかし強めの口調で反論しようと声の聞こえた方を向いた瞬間。
チュッと軽いリップ音が耳元で聞こえた。
『………』
「「「「「え」」」」」
この場にいる私と五条悟以外の間抜けな声が見事に重なる。
『こ…こ、ここ…』
何をされたかなんて私が一番分かっているが、敢えて言葉にはしたくない。ただ一言五条悟に言うとしたら。
殺…
『…こんな所で恥ずかしいよ、悟君…それに授業中だよ?』
誰か私を殺せ、今すぐに!
何がこんな所で恥ずかしいよだ。恥ずかしさの“は”の字すら感じてないわ、アホか。むしろ鳥肌立ったし。
だったらなんでこんな言葉を返したのかと一瞬自分で自分を殴りたくなったが、ここでバレていたら私の人生はお先真っ暗だったということに気付き、理性が働いてくれたことに心から感謝した。
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刹葉(プロフ) - みかさん» コメントありがとうございます!個人的には不安ばかりで、そんな嬉しいことを言ってくださる方がいるとは思ってもおりませんでした…!ただただ嬉しいです、ありがとうございます!!これからも楽しんでいただけるような小説が書けるよう精進します!!✌️ (2022年2月18日 21時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
みか(プロフ) - コメント失礼します。完結お疲れさまでした…!!最後の夢主ちゃんの自分の気持ちに気づく描写大好きです…!刹葉さんの書く文章凄く凄く好きで、これからも応援してます!コメント失礼しました〜!! (2022年2月18日 20時) (レス) @page43 id: 38ecdec85a (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - kanameさん» コメントありがとうございます!ひぇぇ…嬉しいです…!このコメントを見て私もニヤけてます(( これからも楽しんでいただけるよう頑張ります(о´∀`о) (2022年2月5日 3時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
kaname(プロフ) - 私「先生、ニヤけが止まりません」私「諦めなさい」私「OK」という脳内会議を毎回してますwww更新楽しみにしています! (2022年2月5日 1時) (レス) @page21 id: 7565f8d7cb (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - ちゃんちゃさん» コメントありがとうございます…!更新楽しみにしてくださって本当嬉しいです!性癖に刺さったのなら良かった…期待に応えられるよう、これからも頑張ります!^ ^ (2022年2月1日 21時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹葉 | 作成日時:2022年1月27日 15時