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五条「なんで黙ってんの先輩」
だとしたらどうして態々私の取引に乗じたんだ?
あぁ、もう意味が分からないから本人に直接聞いてしまえ。
記憶がないとはいえ、考え方が変わるわけではないだろうから、少しは当時の五条悟が何を考えていたか分かる筈。
『五条悟。君はとある人物の弱みを握っているとしよう』
五条「何急に。怖すぎんだけど」
『一つ、相手は異性である。二つ、君は優位な状況であり、すぐにでもその弱みを他人にバラしてその相手を馬鹿に出来る。なのにそうせず言うことを聞けと脅す場合、何故ですか?』
五条「ちょっと日本語勉強し直してきてもらっていいですかね。意味分かんないんで」
『ニュアンスで分かれ』
五条「無茶苦茶だな」
五条悟はため息をつき、本当に仕方がなさそうに考える素振りを見せる。
五条「…パシリが欲しいからとかじゃねぇの」
『じゃあその脅す内容が"自分の彼女のフリをしろ"だった場合は?』
五条「女避け」
即答かよ。交友関係について忘れてるくせに自分がモテることは分かってるんだね。何それ、ムカつくわ。顔面歪め。
五条「或いはそう託けて自分の傍に置いとく為…とか。知らんけど」
五条悟からそんな言葉を聞けるとは思っていなかったし、彼のことだから恐らく私を彼女役に起用したのは前者の理由からだろうけど、念のため。
『彼女のフリをさせてる人間にキスする必要ってあると思う?』
五条「はぁ?んなの必要ないだろ。フリなんだから。身体目的とかならするかもだけど?」
『身体目的でもないし、女遊びもやめたって言ってたけど』
五条「じゃあそいつのことが好きなんじゃん?誰の話か知んねーけど、そいつ奥手すぎ」
『………』
五条「…?二条?」
いや…いやいやいや。まさか。
五条「あ、もしかして気になってる奴にそう言われたわけ?」
『気になってる…!?私が君みたいなクソ生意気後輩のことを!?………あ』
五条「あ?」
黙って私は踵を返し、真っ直ぐドアまで歩いて行こうとしたのだが、私の爆弾発言を五条悟が聞き逃す筈も、私のことを黙って見逃す筈もなく。
五条「こうなる前はお前のこと好きだったってこと?俺が?」
私の腕を強い力で掴んだ五条悟。
五条「しかも超絶奥手だったって?マジ?」
最悪だ。
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刹葉(プロフ) - みかさん» コメントありがとうございます!個人的には不安ばかりで、そんな嬉しいことを言ってくださる方がいるとは思ってもおりませんでした…!ただただ嬉しいです、ありがとうございます!!これからも楽しんでいただけるような小説が書けるよう精進します!!✌️ (2022年2月18日 21時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
みか(プロフ) - コメント失礼します。完結お疲れさまでした…!!最後の夢主ちゃんの自分の気持ちに気づく描写大好きです…!刹葉さんの書く文章凄く凄く好きで、これからも応援してます!コメント失礼しました〜!! (2022年2月18日 20時) (レス) @page43 id: 38ecdec85a (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - kanameさん» コメントありがとうございます!ひぇぇ…嬉しいです…!このコメントを見て私もニヤけてます(( これからも楽しんでいただけるよう頑張ります(о´∀`о) (2022年2月5日 3時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
kaname(プロフ) - 私「先生、ニヤけが止まりません」私「諦めなさい」私「OK」という脳内会議を毎回してますwww更新楽しみにしています! (2022年2月5日 1時) (レス) @page21 id: 7565f8d7cb (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - ちゃんちゃさん» コメントありがとうございます…!更新楽しみにしてくださって本当嬉しいです!性癖に刺さったのなら良かった…期待に応えられるよう、これからも頑張ります!^ ^ (2022年2月1日 21時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹葉 | 作成日時:2022年1月27日 15時