私を女避けにするな後輩。【呪術廻戦】

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『言うことを一つ聞くって何。何すればいいの。それ聞いたら二度と私に関わるな。というか一生目の前に現れるな、殺虫剤かけるよ』



五条「俺はGか何かか、ふざけんな。先輩だからって容赦しねぇぞ表出ろ」




その端正な顔を歪める五条悟はこんな態度でありながら御三家、五条家のおぼっちゃまである。



こんな性格が捻じ曲がりきって、いつかはち切れそうな人間が当主になったら五条家終わるんじゃねと私は思っているが、それはさておき。




『早く用件を言え…てか五条なんだから実質Gだよね、君』



五条「あ、そういうこと言う？」




すんっと効果音がつきそうな速度で真顔に戻った五条悟は慣れた手つきで携帯を操作し、大音量で"それ"を流し始めた。




(私が断らないからって一級呪霊ばっか祓わせやがって)




持てる力の全てを使って音源である携帯を奪おうとするが、目の前の男の身長がデカすぎて届かない。




(学長も私にばっか任務回しやがって。禿げろ)




携帯を奪い取ろうと四苦八苦しているうちにも私の録音された声は流れ続ける。



ここは寮の共有スペース。夜中とはいえ、いつ誰が来るか分からない。この男のように気配を消している場合もある。




五条「はは、傑作」




ほんっとにクズだな、テメェ…！と叫びたいのを我慢する。




『……すみません、あの…どうかその動画を止めてください、お願いします……』



五条「え？なんて？」



『ほんっとにクズだな、テメェ…！…あ、言っちゃった』



五条「言っちゃったな〜」




と何故か笑顔で復唱して動画を止めた五条悟。もうこれ詰んだわ。終わった。さよなら。




五条「てことで俺と付き合え」



『てことでの意味を調べようか、君。どういうことだよ。わけわかめだよ』



五条「うわ、わけわかめとか言ってんだけど、この人…やば…」



『…………』




もう突っ込むのは諦めよう。無駄に疲れるだけだよ、私。




『そもそもどういう付き合えなの？』



五条「男女交際の方の付き合え」



『………なんで？』



五条「俺、好きな人いるんだけどさ」




何を言い出すかと思えばいきなり自分語りか、こいつ。しかも好きな人の話とかリア充代表かよ。




五条「全然振り向いてくれねぇから嫉妬させようと思って。あと単なる女避けな。最近言い寄ってくる頻度がやべぇんだよ。まあ仕方ないのかもしんねーけど」




いかにも“俺の美貌の前ではな”とか思ってそうだな。

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