私を女避けにするな後輩。【呪術廻戦】

20. ページ20

五条side




"時間は大切にした方がいい"。



それはつまり俺のしてきたことは二条にとって何の価値もなく時間の浪費でしかない無駄なことだということで。



馬鹿にされているとしか思えなかった。




五条「大きなお世話なんですけど。初対面の癖に知ったような口聞くなよ、先輩。俺は俺の好きなようにやるんで」



『そっか、ごめんね』




と二条は再び笑みを浮かべていた。あの胡散臭い笑みを。



正直二条の印象は最悪だった。



傑からは誰に対しても優しく、世話焼きだと聞いていたが、実際会ってみたら思ってもいないことを言うわ、遠回しに馬鹿にしてくるわで、こいつのどこを傑が気に入っているのか分からない。



いや、分かりたくもないけど。




『…うん、やっぱり私今日はダメだ』



五条「は？」



『ちょっと任務先で色々あってイライラしてて、五条君に当たりました。ごめんなさい』




模範になりそうなくらい綺麗に頭を下げた二条だが、やはりその謝罪にも二条の意思というか感情は籠もっていないように思えた。



二条の謝罪は"世間一般的に悪いことをしたから形だけ謝っているけど、心から悪いとは思っていない"そんな感じ。



謝罪とは言えない謝罪をされたところで意味など皆無に等しかったが、態々言うのも面倒なので舌打ちで返しておいた。




五条「先輩に用とかないし、もう行きます。さようなら。あ、俺からも一つ忠告。俺のこと下に見てるといつか痛い目見ますよ」




イライラしていたという理由があっても馬鹿にされたのは事実で、それを気にせず許すほど俺は優しくなんてない。



必ずこの倍以上にして返してやろうと心に決め、踵を返した。




『五条悟はプライドが高くて捻くれ者…と。なるほど。なるべく関わらないでいよう、うん』




なんて二条が呟いたことを俺は知らない。

21.→←19.もう一方は

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す