19.もう一方は ページ19
五条side___1年夏
二条Aと初めて会ったのは春ではなく、初夏の頃だった。友人の夏油傑曰く、遠地での任務で去年の冬から高専にはいなかったらしい。
本当なら春までだったらしいが、予想以上に呪霊の数が多かったとかで延期になったのだと。
傑が必要以上に先輩の話をするから、出会う前から彼女のことはほぼ知っていた…というよりは知ったつもりでいた。
『あ、傑君。入学おめでとう。今になってごめんね。えっと、隣の君は五条悟君…だよね。傑君から話は聞いてるよ』
他人の容姿を素直に綺麗だと思ったのは久しぶりだった。
五条「どーも」
夏油「悟、言葉遣い」
『大丈夫だよ、傑君。でも確かに話に聞いた通りだね。これは何人もの女の子を泣かせてきたんだろうなぁ』
と苦笑を浮かべる二条に違和感を覚えた。その違和感の正体が分からず黙っていれば、何を勘違いしたのか二条は“あっ”と声を漏らして言葉を続けた。
『今の言葉で気分を害してしまったならごめんなさい。ただ本当にモテそうだなと思って』
再度ごめんねと謝ってきた二条を見て違和感の正体に気付く。
五条「そういうのいいから」
『え？』
五条「思ってもないこと言われてもうざいし」
夏油「悟！！」
二条Aは表情と感情が噛み合っていないし、それ自体意図的な気がした。ただそれに気付ける人間はそこまで多くはない。
そう思わせる程に二条は上手かった。傑ですら気付いていないのだから。
夏油「すみません、先輩。悟には後で私から言っておきます」
『大袈裟だなぁ、傑君。ところで此処にいていいの？任務なんでしょう？』
夏油「あ…！！」
『行ってらっしゃい』
夏油「はい…！」
任務に向かう傑をにこやかに見送ってから、二条は改めて俺を見た。
『一つ聞きたいんだけど』
五条「なんですか」
『五条君の中学でのことは傑君以外からも色々聞いてるんだけど、薄っぺらい上部だけの関係を作ってきて得られたものはあった？』
急に何を聞いてくるのかと思えば、二条はいつの間にか笑みを消していた。
五条「んなの知るかよ。俺は求められたからそれに応えただけだし」
『じゃあそんな君に忠告。そんな受け身でいたら、本当の自分とかやりたいこととか分からなくなるよ。それに時間は大切にした方がいい』
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刹葉(プロフ) - みかさん» コメントありがとうございます！個人的には不安ばかりで、そんな嬉しいことを言ってくださる方がいるとは思ってもおりませんでした…！ただただ嬉しいです、ありがとうございます！！これからも楽しんでいただけるような小説が書けるよう精進します！！✌️ (2022年2月18日 21時) (
レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
みか(プロフ) - コメント失礼します。完結お疲れさまでした…！！最後の夢主ちゃんの自分の気持ちに気づく描写大好きです…！刹葉さんの書く文章凄く凄く好きで、これからも応援してます！コメント失礼しました〜!! (2022年2月18日 20時) (レス) @page43 id: 38ecdec85a (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - kanameさん» コメントありがとうございます！ひぇぇ…嬉しいです…！このコメントを見て私もニヤけてます(( これからも楽しんでいただけるよう頑張ります(о´∀`о) (2022年2月5日 3時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
kaname(プロフ) - 私「先生、ニヤけが止まりません」私｢諦めなさい｣私｢OK｣という脳内会議を毎回してますｗｗｗ更新楽しみにしています！ (2022年2月5日 1時) (レス) @page21 id: 7565f8d7cb (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - ちゃんちゃさん» コメントありがとうございます…！更新楽しみにしてくださって本当嬉しいです！性癖に刺さったのなら良かった…期待に応えられるよう、これからも頑張ります！^ ^ (2022年2月1日 21時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：刹葉
| 作成日時：2022年1月27日 15時
