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『あぁ…しくった…絶対しくった…何の話してたっけなぁ…あぁぁぁぁ…』
一人残された空き教室で、教室の端から端を行ったり来たりすること三十分。
五条君が機嫌を損ねた理由が私には分かりません。
『あれか…?私が結婚したくない理由を言わないから…?五条君が怒る理由なんてそんくらいしかないもんね。うん。他の原因があるとしたら…私がこの前五条君が隠してたとろけるプリン食べちゃったからで…』
蓬「………」
『…………』
視線が交わる。彼女は息を殺してそこに立っていた。
ぶりっ子とはかけ離れた声音で独り言を零す私をただただ眺めていたのである。
君のその気配の無さはなんなんだ…?もしかして君があの幻の
蓬「……」
『もーもなちゃん♡』
蓬「…はい」
『見た?』
蓬「見てないです。如月さんが全くぶりっ子じゃなかったところなんて全然見てないし、地声が甘ったるくなかったのも知らないです」
夏油君がこの場に居合わせたのならば、彼は今頃蓬に対しても笑顔で“弩級の馬鹿だね”と毒を吐くのだろう。
『んふっ♡何を思ったか素直に言ってごらん?』
返答次第では二度と日の元を歩けないようにしてやるぜ☆
蓬「ぶりっ子より全然マシだなぁと」
『何故君達は揃いも揃ってぶりっ子を好きにならんのだ。マジ理解に苦しむよ』
蓬「いや、アンタのその思考こそ理解に苦しみますよ。てかぶりっ子しないんですね」
『だってもう誤魔化せないもん。それに今はそんなことに構ってられないんすよ。えぇ』
如何にして五条君の機嫌を取るか。それが今一番考えなければならないこと。
蓬「悟のこと怒らせたの?」
『ギクギクッ!!』
蓬「悟って怒らせると面倒だよ」
でしょうね。何となく予想はつくよ。
蓬「機嫌を直したいなら自分から悟にキスの一つや二つしてみたら?多分すぐ直るから」
『ねぇ桃奈ちゃん?なんで急に親切なの…?』
蓬「素の如月さんがぶりっ子から離れすぎてたから」
『それはそれで傷付くんだけども』
今までの努力を否定された気分なんですが。
蓬「ちゃちゃっとキスしてきなよ。結婚するんでしょ。羨ましい!!」
『…それは羨ましいというより妬ましいのでは…?』
そういう声のトーンだったよ…?
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chiaki0708(プロフ) - テンポよく最後まで楽しく読みきれました!!また作者さんの違う作品も見に行きます! (2022年1月9日 9時) (レス) @page39 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
七不思議零番たんでち - 作者さん!!!!これは御願いなのでやらなくてもいいんですが… 後日談(仲良し一年ズも出てくる)つくってほしいです!!!! 素晴らしい作品をありがとうございました!!!! (2021年4月3日 3時) (レス) id: 94bc23990d (このIDを非表示/違反報告)
柿助 - 完結おめでとうございます!作者様が書く夏油の切なげな恋が大好きでした!お疲れ様でした! (2021年3月31日 7時) (レス) id: fedb05499d (このIDを非表示/違反報告)
るーり - 完結おめでとうございます!なんだか、とても楽しめるお話でした!!作者様、最高!!! (2021年3月22日 14時) (レス) id: 7ac2a7ec47 (このIDを非表示/違反報告)
宮夢(プロフ) - 完結おめでとうございます!お疲れ様でした!次回作も楽しみにしています! (2021年3月21日 15時) (レス) id: 84aaee8034 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹葉 | 作者ホームページ:http://mobile.twitter.com/fall_0613
作成日時:2021年2月24日 18時