ぶりっ子VS最強__延長戦

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五条「Aさぁ、いつになったら僕と結婚してくれんの？そろそろ待つのも限界なんだけど」




空き教室の壁に凭れるだけで絵になってしまう五条君の写真を撮りたいと思いながらも私は彼に言葉を返す。




『五条君はあれかな？鳴かぬなら殺してしまえホトトギス派の人間かな？？』




五条「いーや？僕は鳴かぬなら鳴かせてみようホトトギス派だよ」




『なるほど…秀吉か』




五条「そうそう。だからね？Aに結婚するって言わせる為ならなんでもするってこと♡」




笑顔でそう言った五条君が恐ろしくて後退る。




が、残念。私の背後にはもう逃げられる道は残されていない。硬い硬い壁があるだけである。




『でもここ一応学___』




私の言葉は壁に穴が空きそうな程の衝突音に遮られた。




……私は二十四年間生きてきましたが、初めて壁ドンされました。こんなイケメンに。




でもね、ときめかないんだよ。なんなら死への恐怖をヒシヒシと感じてるんですよ、ナウ。




五条「なんで逃げんの？てか俺から逃げられると思ってんのかよ」




『思ってないでちゅ』




五条「ふざけてんの？」




『いいえ。真面目でちゅ』




五条「真面目からかけ離れてんだよなぁ。…そんなに僕のこと嫌い？」




声を大にして言いたい。嫌いじゃないです。寧ろお慕い申しております、顔と財産。




どこか寂しそうな目をしていた五条君の頬はツヤツヤ。




五条「っ…」




『嫌いじゃないよ。(金持ちイケメンを)嫌いになれるわけない』




五条「…お前…ホントなんなの…？結婚したくないとか言う癖に思わせぶりな態度ばっか執りやがって」




『………』




思わせぶりな態度とは…？と長い思考の旅に出る寸前に、自身が五条君の頬に手を添えていたことに気付いた。




やっべぇ。触っちゃったよ、顔面国宝のうるつやほっぺ触っちゃったよ。




これが思わせぶりな態度ってやつですかい、大将。あと私はいつまで壁ドンされてりゃいいんすかね。




こんな至近距離で五条君の顔見てたら目が潰れちゃうよ。ムスカもビックリな目の潰れ方しちゃうんだけど。




五条「聞いてんの？」




『貴方様のうるつやほっぺとお顔のことしか考えられなくなってました。…何の話してましたっけ？』




五条「もういい」




『え？あ、五条さん？』




教室から出て行く彼の後ろ姿を見て、やらかしたと悟った。

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