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2008年____
それは傑がいなくなって一年が経った夏の日の話だっただろうか。
『さーとーる。アイスちょーだい』
五条「やだね〜。自分で買えよ」
『ケチ。若白髪』
五条「だからこれは元々だっつってんだろ」
『はい、口調荒れたからアイス奢って〜』
五条「いや、意味分かんないから。なんだよ、その理由」
休憩時間に暑いからアイスを買いに行こうって話になって、硝子は面倒だからってパスしたから悟と二人で近くのコンビニまで歩いて行った。
『矯正すんでしょ。口調。だったらペナルティあった方が良くない?』
五条「ペナルティあるとしてもAになんか奢る以外で頼むわ」
『なんでよ』
五条「お前の不服そうな顔見んのが好きだから」
『私も悟の不服そうな顔見るの好きだよ〜?例えばこの前野犬に吠えられてた時とかさ。いやぁ、あの顔は最高だったね』
五条「死ね」
『写メあるけど見せようか?』
五条「話を聞けよ、屑女」
屑はお互い様だろうと思いながら、私は悟の持っていたアイスを奪い取って食べた。
五条「あっ、お前!」
『美味…生き返るわぁ…』
隣でギャーギャー喚く悟を無視していた私の目に映ったのは花火大会の広告。
『悟、今日花火大会あるんだって。知ってた?』
五条「あ?知るわけねーだろ。んなもん」
『行こーよ。花火大会。二人で』
五条「はぁ?硝子は?」
『二人で行きたい』
私の我が儘に悟はなんでだよと言いたげな表情になり、少ししてから溜め息をついて、これは脈なしだなとその反応を見れば分かったけど、それでも私は二人で行きたかった。
五条「お前と二人で花火見るとかどんな罰ゲームだよ。…まぁ、俺は優しいから行ってやらなくもないけど」
『やり〜。流石五条悟様』
五条「まずは俺のアイス買って来い。話はそれからだ」
『悟、口調』
五条「別にお前相手に直す必要ねーだろ」
悟は特に何も考えずに言ったんだろうけど、私にとってその言葉は少し特別で嬉しかった。
相手が私“だから”直す必要がないんだってポジティブに受け取ったから。
『私もいつもの悟の方が好きだからいいんだけど』
五条「うわっ、キモいこと言ってんなよ」
『ははは。悟が涎垂らして寝てる写真ネットにあげよーっと』
五条「なんでそんな写真持ってんだよ。つーか晒したらマジ殺すからな」
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緋雪(プロフ) - 大好き過ぎて定期的に見てます泣泣泣 (2023年3月30日 3時) (レス) @page32 id: 44bf006712 (このIDを非表示/違反報告)
sou(プロフ) - 刹葉さんの作品大好きです!!以前のぶりっ子のお話もとっても好きでしたが、今回のお話の五条先生もとっても好きでした!! (2022年2月10日 18時) (レス) @page32 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
jyjy - ガチ泣きしました…… すっかり作者様のファンです! (2022年1月29日 19時) (レス) @page32 id: 2ce4079fbc (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり(プロフ) - めちゃくちゃ泣きました…。感動しすぎて。作者様は本当に神ですね。どの作品も本当に面白いです!これからも頑張ってください! (2021年7月21日 3時) (レス) id: d69ff754f7 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - 泣いてしまいました…! 続編が欲しいと思うのは私だけではないはず! (2021年3月21日 18時) (レス) id: 2fea210edb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹葉 | 作者ホームページ:http://mobile.twitter.com/fall_0613
作成日時:2021年2月23日 13時