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『…絶対死ぬな……か』
任務先で難なく呪霊を祓った後、私は悟に言われた言葉をそのまま口に出してみる。
絶対なんてない。
それはあの日身をもって知ったこと。
(絶対大丈夫だから!チョッパヤで片付けてくる!絶対準備しといてよ!)
絶対なんてないし、死から無縁な人間なんてこの世には存在しない。
私だってそう。
思い出されたら死ぬというプラスの条件がある時点で、私は誰よりも死に近いのかもしれないなとぼんやり考えて。
悟に思い出されて死ぬのならそれもそれでありかと思ってしまうのは、誰の記憶にも残らないということが想像以上に辛かったから。
(もしかしたら五条悟は君のことを思い出すかもしれないよ)
『…傍観してるんじゃなかったのかよ』
(助言だよ。助言。死にたくないのなら、最期まで傍にいたいなら、君はもう彼と関わるべきじゃない)
『なんだよ、それ。矛盾してんじゃん』
最期まで傍にいるということは、最期まで悟と関わるということなのに。
それに。
『悟と関わらないなんて、それこそ二度目の人生をリスタートさせた意味がない』
私は悟に会いたくて、話したくて、生きたいと願ったんだから。
(…何がきっかけで思い出すか分からないというのに。いつ死ぬのか分からないんだよ?)
『死ぬのは別に怖くないから』
それにしても十年前の私が死んだ後、悟や硝子は何を思ったんだろう。
きっと悲しませてしまっただろうから、もし私のことを思い出したなら謝ってから死にたいな。
…いや、謝ったのにまた死んだら余計悲しませるから、姿を消して人知れず死んだ方がいいか?
(あぁ、そういえば。また言い忘れていたのだけれど)
『お前マジで祓うぞ』
(君の私物はなくならない)
『あ?』
(君のいた高専の寮の部屋はそのままだって意味だよ。まぁ十年もの年が経っているんだから、誰も気付かずそのまま放置…なんてことはないだろうけど。見つけた人間はさぞ驚いただろうなぁ)
“知らない人間が生活していた痕跡があるんだからね”と彼はくつくつ笑う。
私物がそのままだったとしても恐らく今は処分されているだろうから問題はない。
もし写真が処分されていなくて、今の悟や硝子に見られたらかなりまずいことになるけどさ。
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緋雪(プロフ) - 大好き過ぎて定期的に見てます泣泣泣 (2023年3月30日 3時) (レス) @page32 id: 44bf006712 (このIDを非表示/違反報告)
sou(プロフ) - 刹葉さんの作品大好きです!!以前のぶりっ子のお話もとっても好きでしたが、今回のお話の五条先生もとっても好きでした!! (2022年2月10日 18時) (レス) @page32 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
jyjy - ガチ泣きしました…… すっかり作者様のファンです! (2022年1月29日 19時) (レス) @page32 id: 2ce4079fbc (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり(プロフ) - めちゃくちゃ泣きました…。感動しすぎて。作者様は本当に神ですね。どの作品も本当に面白いです!これからも頑張ってください! (2021年7月21日 3時) (レス) id: d69ff754f7 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - 泣いてしまいました…! 続編が欲しいと思うのは私だけではないはず! (2021年3月21日 18時) (レス) id: 2fea210edb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹葉 | 作者ホームページ:http://mobile.twitter.com/fall_0613
作成日時:2021年2月23日 13時