夏油ルート8 ページ34
夏油「……やはり私は
五条君と別れて二人きりになった教室で夏油君が呟くように言った。
夏油「現に今も呪霊は増え続けているし、何処かで術師が死んでいる。それはきっと今後も変わらない」
昔、夏油君とそういう話をした。非術師に守る価値はあるのか、術師が命を賭ける必要はあるのかと。
それに対して私はただ“いつもの夏油君が好きだ”と言った。私の言葉はきっと夏油君が求めていたものじゃなかったと思う。
だけど夏油君は今この瞬間まで呪術師でいてくれている。
夏油「…不思議だな」
『何が?』
夏油「Aの一言で踏み止まれている今の状況が。非術師は嫌いだし、いなくなればいいと思ってはいるのに、不思議と行動には移せない。これはある意味呪いだよ。縛りと言ってもいいのかもしれない」
『夏油君が私を好きすぎるからじゃない?』
夏油「そうかもね」
『いや、今のは否定するところっすよ!!前髪!…あ、すみません。前髪が素敵すぎてつい』
勢い余って口から出たワードを聞いた瞬間、夏油君が恐ろしくなるほど綺麗な笑みを浮かべたので即座に謝る。
夏油「あぁ、そうだ。Aからはまだ聞いてなかったね」
『何を___』
夏油「“多分”なしの好き」
『Oh…』
そうだった。
夏油君は私の目の前まで歩いて来たかと思えば耳元で
夏油「……言ってくれるかい?A」
と囁いてきたので心臓が破裂するかと思った。確信犯でしょう、この人。
『辛…辛みぃ…好きだよ…夏油君……好きすぎて辛いとはまさにこのこと…』
夏油「…ふはっ、なんだよそれ」
吹き出して笑った夏油君は可愛くもあった。
『可愛い且つかっこいいってもう無敵じゃないですか…やっぱ今すぐ結婚しましょ…』
夏油「結婚もいいけど交際から楽しみたいな、私は」
『じゃあ交際からでいいです』
夏油「チョロいね」
好きな人の願いは聞くべきだと思っているし、好きな人の為に尽くせる人間だよ、私。
夏油「……今日はこのままずっと一緒にいたいなんて私らしくもないことを考えてしまったよ」
『私は別にそれでも良___』
五条「傑ー!!マウント取るの忘れてたから戻って来たよ!」
私達がゴミを見るような目で五条君を見たのは言うまでもない。
3170人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
chiaki0708(プロフ) - 尊いです夏油くんルートあるの嬉しかったです!! (2022年1月9日 9時) (レス) @page47 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - あやめさん» ありがとうございます!いえいえ、こちらこそ説明が下手で申し訳ないです!! (2021年3月26日 8時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
あやめ - 刹葉さん» 理解力なくてすみません(>人<;)全然大丈夫です! (2021年3月26日 7時) (レス) id: 1f315efa1e (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - あやめさん» 私TwitterしてるのでTikTokのシェアボタンからシェアさせてほしいという意味なんですが伝わりますかね…?説明下手で申し訳ないです… (2021年3月25日 20時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
あやめ - 刹葉さん» こちらこそありがとうございます!私Twitter詳しくなくて、Twitterの方で私も投稿すればいいんでしょうか? (2021年3月25日 19時) (レス) id: 1f315efa1e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:刹葉 | 作者ホームページ:http://mobile.twitter.com/fall_0613
作成日時:2021年2月10日 20時