逃げたいぶりっ子VS逃したくない最強《呪術廻戦》

夏油ルート5 ページ31

『殺さないで！！！』




夏油「っ……A…だが」




『嫌だ！殺したら夏油君は呪詛師になる…！私の所為で夏油君を呪詛師にしたくない！！』





こんなに声を張ったのは今が初めてかもしれない。





『毒舌で性格も屑だけど偶に優しい夏油君が大好きだから…大好きな人が呪詛師になる瞬間なんか死んでも見たくない…！！』





その大好きが友達としてのものか、異性としてのものか私自身よく分からないけど、絶対に夏油君を止めたかった。





夏油「……分かった」





夏油君が渋々了承した瞬間、ドサッという不吉な音がして、視線をやれば薄らハゲが倒れていた。





夏油「気絶させただけだよ」





私は夏油君を離し、彼が振り返った為、そこで視線が交わる。





夏油「……ふ、鼻血出てるAは中々…笑えるね」




『……幾ら私が優しくても怒るよ？』





さっきまでの良い雰囲気は何処に行ったのかしら。




私ヒロインしてたよね。良い女ムーブしてたよね。





『このスパ____』





スパゲットゥーって呼ぼうとしたのに呼べなかったのは、夏油君の胸板が私の口を塞いだから。





夏油「…遅くなってすまない、A。もっと早くに居場所が分かっていれば怪我をさせることもなかったかもしれないのに………………A？」





夏油君は一度私を離してから、まじまじと顔を見てくる。





夏油「……顔が赤___」




『気の所為です！！！』





何これ。なんでこんな…ドキドキしてるの？五条君の顔見た時よりドキドキしてるんだけど…！？





夏油「もしかして照れ___」




『吊り橋効果です！！！』




夏油「え？」




『……あ』





こんなこと言ったらまるで私が夏油君を好きになってしまったみたいで…




え？




もしかしてこれが…？




恋愛ドラマを見ても、ネットで調べてもピンとこなかった恋…？





『あの…ゲットゥー…落ち着いて聞いて欲しいんだけどね…私…あの…』




夏油「私のことを異性として見てしまった？」




『エスパー！？』




夏油「こんなにあからさまな態度を執られて分からない人間なんていないと思うよ」





そんなにあからさまだったろうか…





『多分好きです！結婚してください！！』




夏油「Aってやっぱりおかしいよね」




『勇気をもって告白したのにおかしい扱い！？』




夏油「告白はし慣れてるだろ。…ふふっ…そういうところも可愛いとは思うけどね」

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