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夏油side
一年前___
Aが高専に戻らなくなってから七年。
未だに何処にいて何をしているのかは分からなかったが、誰も彼女を心配することはなかった。
それは彼女が嫌われているからとか、どうでもいいと思われているからとかではなく、如月Aは生きていると、誰もが私を通じて知っているから。
午後三時。
この時間帯は私とAの約束の時間だった。
手元にあった携帯が音楽を流し始める。
夏油「もしもし。今日も生きてるかいA」
『うん。生きてますよ。スパゲットゥーも生きてるみたいだね』
夏油「すみません。私はスパゲットゥーなんてクソダサい名前じゃないので切りますね」
『ごめんって。なんとなく思いついただけなんだって。可愛い悪戯心を許してよ』
夏油「………」
『泣くよ?』
こんなやり取りが昔からずっと続いている。
夏油「元気か?」
『うん。元気だよ。そっちは?』
夏油「皆元気だよ。昨日なんて蓬が酔った勢いでまた悟に告白してね。振られてた」
『ははは〜。蓬め、ざまぁみろぉ〜。っていうかあの二人付き合ってないんだね?高専時代は爆発して欲しいくらい仲良かったのに』
夏油「確かにね」
悟が蓬と付き合わないのはそれ以上に気になっている相手がいるからだと言ったら、Aはそれが自分だとも気付かずに、誰なのか知りたがるだろうな。
夏油「A、高専に戻って来る気はやはりないのか」
『うーん。だって呪術師って出会いの場ないじゃん。五条君とはもう結婚出来そうにないし』
夏油「そうとも限らないと思うが」
『そう?…あ、ごめん。呼ばれたから切るね』
夏油「分かった。また明日」
『うん。また明日』
終話ボタンを押す。
五条「全く。お前らは恋人か何かですかー?見せびらかしてくれちゃってさぁ」
夏油「盗み聞きとは感心しないな、悟」
五条「こんな所でくっちゃべってる傑が悪いんだろ。…で?如月はなんて?僕に会いたいとか言ってなかった?」
夏油「そんなことは一言も言ってなかったよ。なんなら五条君とはもう結婚出来そうにないし…って言ってた」
五条「ホントぶれないよね、如月って。そろそろ本格的に捜し始めるべきかなぁ」
その悟の発言から丁度一年後にAが見つかるなんて、この時の私は思ってもいなかった。
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chiaki0708(プロフ) - 尊いです夏油くんルートあるの嬉しかったです!! (2022年1月9日 9時) (レス) @page47 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - あやめさん» ありがとうございます!いえいえ、こちらこそ説明が下手で申し訳ないです!! (2021年3月26日 8時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
あやめ - 刹葉さん» 理解力なくてすみません(>人<;)全然大丈夫です! (2021年3月26日 7時) (レス) id: 1f315efa1e (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - あやめさん» 私TwitterしてるのでTikTokのシェアボタンからシェアさせてほしいという意味なんですが伝わりますかね…?説明下手で申し訳ないです… (2021年3月25日 20時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
あやめ - 刹葉さん» こちらこそありがとうございます!私Twitter詳しくなくて、Twitterの方で私も投稿すればいいんでしょうか? (2021年3月25日 19時) (レス) id: 1f315efa1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹葉 | 作者ホームページ:http://mobile.twitter.com/fall_0613
作成日時:2021年2月10日 20時