逃げたいぶりっ子VS逃したくない最強《呪術廻戦》

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『…じゃあこうしようよ。素の私が五回名前で呼んだら一万円プリーズ。オーケー？』




五条「巫山戯てんの？一回名前呼ばれるだけで二千円掛かるじゃん」





五条君の名前を呼ぶことは素の私にとってそれだけ難易度が高いのである。





『じゃあ諦めてぇ？さ・と・る・君♡』




五条「諦める？この僕が？有り得ないでしょ。…それに僕言ったよね？僕を名前で呼ぶまでキスするって。…だからさぁ」





再び五条君の整いに整った綺麗な宝石並みの顔が近付いてくる。これを眼福と言わずになんと言えば良いのやら。




けれども、二回もキスを許容するほど、同じ事態を繰り返してしまうほど、私は馬鹿ではないのです。




私には最終兵器がある。





『ふぅ……』





最大限まで息を吸う。





『きゃぁぁぁぁあ！！！悟くぅん！？それはらめらよぉぉぉ！！』




五条「は？！」





突然大声を出した私に五条君は目を見開いて後退る。でもこれで終わりではない。





『桃奈ちゃんがいながら、私に手を出すなんてぇ！！！』





ぶっちゃけた話、この寮は古いし、防音対策もしていない。そして、さっき五条君が桃奈を埋めたという部屋は寮からさして離れていないのだ。




よって今後予想される展開は…





五条「……何考えてんの？…お前…」





私と違い、五条君はまだ理解出来ていないらしい。




まあ数秒後には嫌でも理解するでしょう。…ふふふ。





『…愛には愛をぶつけましょう』




五条「は？」





五条君が再び首を傾げた瞬間。




ドンドンドンと激しくドアをノックする音が聞こえたかと思えば、その数秒後にドアは破壊された。




…そこまでは予想出来なかったな…





蓬「悟っ！！！」




五条「げっ…桃奈。さっき気絶させたのに…っていうか鍵掛けてたよね…？僕」




蓬「例えドアに鍵が掛かってようと、南京錠が掛かっていようと、私の悟への愛の前ではちっぽけな障害に過ぎないから！！」





これぞ最終兵器、蓬桃奈。





『も、桃奈ちゃん…良かったぁ…』




蓬「如月さんにしては良い判断ですね。このまま黙って悟とあんなことやこんなことしてたら、ぶち殺すところでした」





……キスされたことは黙っていよう。





五条「あのね、桃奈。この際はっきり言うけど___」




『悟君は桃奈ちゃんが凄い好きだって分かったからぁ…もう邪魔しないよ♡だから安心してね？』





そう言ってそそくさと部屋を出た。

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