最強が浮気しやがった【五条悟】

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家入「確定で浮気だな、これは」





苦虫を噛み潰したような表情で目の前にある建物を眺める硝子。




私に至ってはもう悟りを開く寸前だった。




思春期を終えた人間ならほぼ知っているであろうカップルの聖地、ラ◯ホテル。




カップルの聖地だと教えてくれたのは元彼の牧星君である。




彼とは一度も行ったことなかったけど。




五条と小雪は私と硝子に見送られて、躊躇うことなくここに入って行った。





家入「どうする？」





『どうするって…何が？』





家入「別れるとか乗り込むとかあるだろ」





『いいよ、今は何もしない』





家入「はぁ？」





私は今まで散々五条に迷惑をかけてきたし、助けられもした。




だから一度浮気現場を見たくらいでどうこうしたりはしない。




それにもしかしたら気の迷いから生まれた一度だけの過ちかもしれないから。





家入「そういう性格は損するだけだって昔から言ってんのにさ」





『私根はいい子だからね』





家入「…今日は奢るよ。飲んで全部忘れろ」





『しょ…硝子ぉ…』





ふとした親友の優しさに涙腺が緩み切ってしまい、無意識のうちに我慢していたのか、涙が溢れる。





『五条のバァカ！しらが！！禿げろ！！』





照れながら私のことを好きだと言ったのは嘘？




全部演技だった？




何もしないと言った傍から問いただしてしまいそうな自分に呆れると同時に、私は本当に五条のことが好きなんだなと今は気付きたくない感情に気付いてしまう。





『私今日は硝子の家に泊まる』





家入「私に拒否権は」





『ないよ！！』





家入「…そういうとこホント五条に似ちゃったよね、A」





似たくて似たわけじゃない。





『五条ウイルスに感染したんだよ…』





家入「名前からして最悪だな」





心からそう思っているらしく硝子は可愛いとも綺麗ともとれる端整な顔を歪ませた。





家入「さっさと行くぞー。私まで腹立ってきた」





『アイツに腹立たない奴いんの？彼女以外で』





家入「いないっしょ。全員一回は五条を殺したいと思ってそう」





『なんでアレが最強なのかね。サメに食われて死んじまえ』





家入「なんでサメ？」





『最近サメの動画見たから？』

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