四十(最終話) ページ41
2018年___
五条「はぁぁ…今日も任務とかマジふざけてるよねぇ、上の連中。ブラック企業かよ」
『仕方ないって。五条君が馬鹿みたいに強すぎるのがダメなんじゃない?』
五条「え〜。じゃあ上の連中皆殺しにしていい?」
『なんでそんな話になる』
今日も任務に就くことに関して文句を言う五条君を伊地知君の車まで見送る。
あの不思議な出来事からもうかなりの月日が経った。
私の理解していることを全て話せば、夏油君や硝子は驚いていたし、五条君に関しては暫く信じておらず、最近になってようやく当時のことを私に聞いてきたりして受け入れようとしている。
『それにしても悟さんに似てきたね。五条君のその話し方』
五条「またその話〜?いつまで過去の男に縛られてるんだよ。そんなんじゃいつまで経っても結婚できないよ」
『大きなお世話なんですけど』
今のところ結婚なんてするつもりは毛頭ない。
彼以上に好きになれる人なんていないし、好きでもない相手と結婚することがどれだけ恐ろしいことか身を持って知ったから。
五条「でもやっぱ違和感しかないよね。自分のことなのに自分じゃないんだから。変なの」
ふと空を見上げれば、綺麗な青空が広がっていて。
『…今日も好きですよ、悟さん』
と呟けば。
(僕も好きだよ)
『え…?』
五条「何?どうしたの?間抜けな顔して」
『いや、なんか…聞こえた気がして』
“ふーん”と興味の欠片もなさそうに車に乗り込もうとしていた五条君だが、ふと動きを止めて言った。
五条「僕が学生の頃、Aのことを名前で呼ばなかった理由、教えてあげようか」
『急じゃん。てか別に…』
聞かなくてもいいと言おうとしたのに五条君はそれを遮って意味深な笑みを浮かべる。
五条「恥ずかしかったんだよ。Aのこと好きだったから」
『は…?』
五条君はそのまま伊地知君の車に乗り込んで。
どうすればいいのか混乱していれば車窓が開いた。
五条「まあ現在進行形でAのこと好きだけどね?異性として。あと今まで隠してたけど、過去の記憶?あれ、僕にもあるんだよ。勿論誰かさんを抱いたことも覚えてるし。それじゃ、行ってきまーす」
そんな爆弾を投下した彼を乗せた車は発進し、
『…はぁぁぁぁぁぁぁあ!?』
私の悲痛な叫びは、あの人を思い出すような青空に吸い込まれて消えていった。
end.
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?(プロフ) - 今までで1番好きなお話に出会えて本当に幸せですㅠㅠ感情移入し過ぎて自分までもが懐かしい気分になってしまい不思議な感覚でした笑主様の文章力ありすぎて考察もしやすかったです、がち尊敬です!素敵なお話ありがとうございました🥹💗💗 (3月17日 7時) (レス) id: 0539db3d38 (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - えねごりらさん» ありがとうございます…!次回作も楽しみにしていただければ…!!(o^^o) (2022年1月26日 17時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
えねごりら - 完結おめでとうございます!!!名作すぎるので何度も読み返します笑次回作も楽しみです!! (2022年1月26日 15時) (レス) @page42 id: 71d3d1284f (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - えねごりらさん» えねごりらさんコメントありがとうございました…おかげさまで変な終わり方にはなりましたが完結できました…!本当励みになっていたので心からの感謝を申し上げますッ!! (2022年1月26日 1時) (レス) @page42 id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
えねごりら - すれ違ってる…切ないが溢れ出てます!!ヽ(゚д゚ヽ)(ノ゚д゚)ノ!!更新お疲れ様です(о´∀`о) (2022年1月25日 21時) (レス) @page35 id: 71d3d1284f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹葉 | 作者ホームページ:http://mobile.twitter.com/fall_0613
作成日時:2022年1月17日 20時