二 ページ3
『………』
私の少し前を歩く長身イケメンは先程からキラキラオーラを振り撒き、すれ違う女性全ての視線を奪っていく。
私も初めて五条君を見た時は同じように釘付けになり、理想を抱いたりしたものだ。
まあ一ヶ月が経つ頃にはその性格のおかげで目が覚めたが。
『へぶ…っ』
女性達の視線が怖い故に下を見て歩いていた私は、五条君が立ち止まったことに気付かず、その背中に顔面をぶつけた。
五条「ついた」
『……カフェ?』
どうしてカフェに私を同伴させたのか分からず首を傾げるが、五条君はそんなのお構いなしに店に入って行く。
ここで帰ったら確実に殺されるので仕方なく店に入り、店員に案内された席につく。
『なんでカフェ??』
五条「さあ?自分で考えれば?」
『帰っていい?』
五条「ん?」
『何も言ってないです』
殺気込みの笑顔で小首を傾げられたらそう言う他ないだろう。
五条「で?何にすんの?」
素っ気ない態度でメニューを渡してきた五条君。今のところ彼が何を考えているのか何一つ分からない。
とりあえずメニューを受け取って文字の羅列に目を通していく。
五条「最近どうなんだよ、お前」
『え、何?急に。どうってどうもないんですが』
五条「はあ…」
何故か深いため息をつかれたんですが何故でしょうか。“ため息をつきたいのはこっちなんですけど”という言葉を既の所で飲み込む。
五条「硝子から聞いたんだよ。お前が最近変な夢見てるって」
『………は』
あれ、硝子に“男共には言わないでおくれ”って言わなかったっけ??
五条「…その顔はマジなやつだな。……てかお前もかよ」
『お前“も”?』
五条君は頬杖をつき、私ではなく窓の外を見ながら小声でそう言った。
小声ではあったが私にはばっちり聞こえていたので反射的に聞き返す。
五条「お前の見る夢の内容ってどんな?」
『学生二人がカフェで夢の話って…なんだこりゃ』
五条「俺は真面目に話してんだけど?答えろよ、夢の内容」
自分が殺される夢なんて口に出すだけでも嫌だから、夢の内容は硝子にすら教えていないのに。
でも相手は横暴代表五条君。断れるはずも無かった。
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?(プロフ) - 今までで1番好きなお話に出会えて本当に幸せですㅠㅠ感情移入し過ぎて自分までもが懐かしい気分になってしまい不思議な感覚でした笑主様の文章力ありすぎて考察もしやすかったです、がち尊敬です!素敵なお話ありがとうございました🥹💗💗 (3月17日 7時) (レス) id: 0539db3d38 (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - えねごりらさん» ありがとうございます…!次回作も楽しみにしていただければ…!!(o^^o) (2022年1月26日 17時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
えねごりら - 完結おめでとうございます!!!名作すぎるので何度も読み返します笑次回作も楽しみです!! (2022年1月26日 15時) (レス) @page42 id: 71d3d1284f (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - えねごりらさん» えねごりらさんコメントありがとうございました…おかげさまで変な終わり方にはなりましたが完結できました…!本当励みになっていたので心からの感謝を申し上げますッ!! (2022年1月26日 1時) (レス) @page42 id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
えねごりら - すれ違ってる…切ないが溢れ出てます!!ヽ(゚д゚ヽ)(ノ゚д゚)ノ!!更新お疲れ様です(о´∀`о) (2022年1月25日 21時) (レス) @page35 id: 71d3d1284f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹葉 | 作者ホームページ:http://mobile.twitter.com/fall_0613
作成日時:2022年1月17日 20時