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呆気に取られる間も無く私はベッドに押し倒され、両手首を抑えられているせいで身動きも取れない。




『…っ、離して』




五条「A。僕は君のことを愛してるよ。だから選ばせてあげる」




(愛してるんだよ、本当に)




夢で聞いた言葉を思い出す。どうして今まで気付かなかったんだろう。




五条「僕のものになるか、此処で死ぬか。選んで?」




『……夢の中で私を殺していたのは貴方だったんですね』




五条「…まさか…記憶が……?」




彼は何やら驚いている様子でぶつぶつと呟いているが、こちらとしては大人しくしているつもりはない。このままだと私は死ぬことになる。あの女性の言った通りに。



それに私には夢の中の私を殺した彼に言わなければいけないことがある。夢の中の私が言いたくても言えなかったこと。



どうして夢に出てきた彼が此処にいるのかは知らない。正直何も分からないけど…でも。




『夢の中の私が何を思って死んでいったのか教えてあげましょうか』




五条「え…」




『こんなことになるなら出会わなければ良かった』




五条「っ!!」







一瞬の静寂。







五条「はっ…出会わなければ良かった…?」




私の両手首を抑えたまま乾いた笑いを零した後、彼の空いていた方の手は私の喉元を撫でる。




『…!』




馬鹿な私は今更選択肢を間違えたことに気付く。生き残る為には言うべきじゃなかった、こんなこと。




五条「僕の気持ちなんて何も知らない癖に。僕のこと一人にした癖に。置いて行った癖に!……出会わなけば良かった…?そんなの僕だって何度も思ってんだよ!!」




彼の怒りは私に向けられているようで向けられていない気がした。きっと…恐らくは夢の中の私に向けられている。



彼が存在している以上、もう一人の私も存在していたのだろう。




五条「ねぇ…どうして思い出してくれないの?君にとって僕はその程度の存在だった?」




『っ!離…っ…誰か…!!助け…っ』




最初は撫でていただけだった手が首を圧迫し始める。苦しくて壁を叩くが、力が入っている気がしない。




五条「一人にしないって言ってくれた時…僕は嬉しかったんだよ、A。大丈夫。今回も君一人では逝かせないから」





最期に見えたのは目尻に涙を浮かべる五条君の姿。そして唇に柔らかい何かが触れて、私の意識はそこで途絶えた。

九*→←七



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設定タグ:呪術廻戦 , 五条悟   
作品ジャンル:恋愛
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?(プロフ) - 今までで1番好きなお話に出会えて本当に幸せですㅠㅠ感情移入し過ぎて自分までもが懐かしい気分になってしまい不思議な感覚でした笑主様の文章力ありすぎて考察もしやすかったです、がち尊敬です!素敵なお話ありがとうございました🥹💗💗 (3月17日 7時) (レス) id: 0539db3d38 (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - えねごりらさん» ありがとうございます…!次回作も楽しみにしていただければ…!!(o^^o) (2022年1月26日 17時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
えねごりら - 完結おめでとうございます!!!名作すぎるので何度も読み返します笑次回作も楽しみです!! (2022年1月26日 15時) (レス) @page42 id: 71d3d1284f (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - えねごりらさん» えねごりらさんコメントありがとうございました…おかげさまで変な終わり方にはなりましたが完結できました…!本当励みになっていたので心からの感謝を申し上げますッ!! (2022年1月26日 1時) (レス) @page42 id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
えねごりら - すれ違ってる…切ないが溢れ出てます!!ヽ(゚д゚ヽ)(ノ゚д゚)ノ!!更新お疲れ様です(о´∀`о) (2022年1月25日 21時) (レス) @page35 id: 71d3d1284f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:刹葉 | 作者ホームページ:http://mobile.twitter.com/fall_0613  
作成日時:2022年1月17日 20時

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