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女性「貴方の見ている夢は、言うなれば警告です」
対面に座る女性は、早くここから出たくてそわそわしている私に構うことなくそう告げてきた。
『警告…?』
女性「今のままだと貴方は夢と同じ目にあいます」
『同じってことは死ぬってことで合ってます…?』
女性はただ静かに頷いた。夢と同じ目にあうってことは私は必然的に首を絞められて死ぬことになる。疑問なのは誰に殺されるのかということだけど。
高専に入ってからまともに関わりがあるのはクラスメイトや先生方だけど、殺されるほど恨まれることをした覚えはない。勿論高専に入学するまでの人生でも。
しかしそんな私の考えなど最初から無意味だったのだと、彼女の次の言葉で気付くことになる。
女性「単刀直入に言います。五条悟には関わらないでください」
はっきりと聞こえてしまった此処にはいないクラスメイトの名前。
彼女が本来ならば知り得る筈もないことを知っている。その事実が余計にこの話に信憑性を持たせた。
女性「五条悟と関わることで貴方は死ぬ。だからすぐに彼から離れてください。転校でもなんでもいいから」
『まっ、待ってください。そんなこと急に言われても…関わったら死ぬって言いますけど、誰に殺されるんですか?五条君の関係者?それとも…』
五条君本人ですかと問う前に彼女は首を横に振る。
女性「それは言えません。言えば貴方は確実に助からなくなる」
絶句するしかなかった。
もし。
もし彼女の言っていることが本当だとしたら。
『…………つまり私は五条君との関係を絶たなければ確実に死ぬって…ことですよね…?』
女性「……恐らくは」
五条君との関係を絶つなんてほぼ不可能なのに。転校するにしたってすぐには出来ないし、彼とは仲も良い。転校することになれば必ず理由を聞かれる筈だ。
『彼から離れる以外に方法はないんですか』
震える声で尋ねた時だった。
五条「体調不良者置いて何処に行ったかと思えばこんなとこにいたのか……」
今一番会いたくないと思っていたからか、振り向いて五条君の姿を視界に入れた途端、形容し難い寒気にも似た感覚に襲われた。
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?(プロフ) - 今までで1番好きなお話に出会えて本当に幸せですㅠㅠ感情移入し過ぎて自分までもが懐かしい気分になってしまい不思議な感覚でした笑主様の文章力ありすぎて考察もしやすかったです、がち尊敬です!素敵なお話ありがとうございました🥹💗💗 (3月17日 7時) (レス) id: 0539db3d38 (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - えねごりらさん» ありがとうございます…!次回作も楽しみにしていただければ…!!(o^^o) (2022年1月26日 17時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
えねごりら - 完結おめでとうございます!!!名作すぎるので何度も読み返します笑次回作も楽しみです!! (2022年1月26日 15時) (レス) @page42 id: 71d3d1284f (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - えねごりらさん» えねごりらさんコメントありがとうございました…おかげさまで変な終わり方にはなりましたが完結できました…!本当励みになっていたので心からの感謝を申し上げますッ!! (2022年1月26日 1時) (レス) @page42 id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
えねごりら - すれ違ってる…切ないが溢れ出てます!!ヽ(゚д゚ヽ)(ノ゚д゚)ノ!!更新お疲れ様です(о´∀`о) (2022年1月25日 21時) (レス) @page35 id: 71d3d1284f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹葉 | 作者ホームページ:http://mobile.twitter.com/fall_0613
作成日時:2022年1月17日 20時