付きまとってくる37 ページ2
いいからはよ出せ。
そんな思いを込めて天童先輩を睨み付ける。
天童先輩は肩をすくめると、溜め息を吐いて大きな体を揺らしながら私に近寄ってきた。
反射的に体が後退するのは、きっともう本能的な何かだと思う。さすがに私も学習した。
「……何で逃げるのさァ」
「本能っていうか、細胞が拒否ってるんで」
「嘘デショ俺泣くよ？」
メソメソ泣き真似をする天童先輩。わざとらしいそれが、私のイラつきを煽る。
ザッと蹴った地面が砂埃をあげた。
「とにかく早くして下さい。イラつくんです茶番はもういいさっさとしろ」
「また敬語……。んー……ていうかさぁ、佐々木チャン酷くない？」
「……？」
「何の証拠も無いのに俺がやったって決めつけるの？
俺だって一応常識は持ち合わせてるつもりだし。佐々木チャンが俺を疑って、俺を犯人だと思うなら、その根拠って、ナニかな？」
淡々とそう言われて、体が強張った。
まず正論だったのもあるし、天童先輩の感情が読めなかったから。
怒っているのか、楽しんでいるのか、それとももっと別の何かか。
時々天童先輩は、相対する人間を意図して威圧しようとするきらいがある。
反論しようにも、言葉が浮かんでこない。
「……ごめんなさい」
決めつけるの、早すぎました。
＿＿ポロリとこぼれ出たのは、なんとも小さな声の謝罪。
聞こえてるか聞こえていないかもあやしいそれに、天童先輩は口元を綻ばせた。
……さっきは何て言ったか聞き返してきたくせに。絶対さっきも聞こえてた。本当、性格悪い、この人。
「ん、素直でよーろし。
おいで！ご褒美あげる」
「いらねぇ」
ほら、真剣な雰囲気だったかと思えばすぐこれだ。
両手を広げた天童先輩を冷めた目で見やり、踵を返す。
けれど、そんな私の背中に声がかかった。
「え、いいのォー？
カメラ、返そうと思ったのにー！」
「………
は？」
呆気に取られて振り返った私に、天童先輩はにいっと唇の端を吊り上げて笑った。いや、嗤った。
「だーからっ、俺が持ってるよカメラ！
返してあげるから、ついてきなって」
…………マジで、この人いつか潰す。
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メロ - もっと読みたいですぅぅううう！！！ (2019年3月2日 16時) (
レス) id: 0e59c5458d (このIDを非表示/違反報告)
あぽぽ。 - 面白いです!めちゃくちゃ! (2018年2月26日 17時) (レス) id: 35969b3800 (このIDを非表示/違反報告)
お凛 - もうほんとドキドキするし、めっちゃ好きです(*´□`*)続き楽しみにしてます！！頑張ってください！ (2017年8月18日 10時) (レス) id: e398a3b6ca (このIDを非表示/違反報告)
maruyamaryuh(プロフ) - 更新期待してます!! (2017年7月30日 21時) (レス) id: b5f2cd076b (このIDを非表示/違反報告)
俺の嫁は二次元(ｷﾘｯ - 前作も読みました！個人的には夢主ちゃんと沙羽ちゃんの二人が好きです！可愛いですこの二人。和む(*^ω^*)更新頑張ってください！ (2017年4月6日 13時) (レス) id: 3614360162 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あるま | 作成日時：2017年1月23日 21時
