付きまとってくる6 ページ7
「はぁっ!?
何お前ら、幼馴染みなの!?」
「はい」
「まあ」
心底驚いた、という顔をする天童先輩。
「いや、何て言うかさァ〜……
賢二郎もちゃんと女のコと接点あったんだね?モテるくせにそういうの興味無さげだからさ〜」
「残念ながらコイツは女のカウントには入んないんで」
「え、そなの?」
「はい」
「ねぇ、それより『大丈夫なのか』って何が『大丈夫なのか』なの?」
「あ、流すんダ……」
一々聞いてもいられない。私と白布は元々こういう関係だし、今に始まった事じゃないから。
本題に戻そうと白布を促せば、そうだとスマホを取り出した。
そしてそのまま何やら動画を再生し出す。
「あれ、これ白布のスマホじゃないじゃん、何で?」
「クラスのヤツの借りてきたんだよ。この動画お前に見せるために」
「ふーん」
どれどれ、と天童先輩とスマホを覗き込む。そこには___
『キャンキャン喚くなうるせえてめぇは犬か。犬は大人しく首輪に繋がれてドッグフードでも食ってろ』
『知らねえっつってんだろしつけえな。そもそも私は他の部活に入部済みだバレー部とは関わったことも無い。つーかブスはお互い様だろいつまでも触ってんなブス』
「ぶふぉッッ」
「あー……」
吹き出す天童先輩。
……いるよね、こういう事する馬鹿。
先程の私達のやりとりの一部を録画したらしいその動画は、白布の手のひらのスマホで延々とループ再生され続ける。
その動画を止め、私は一つ息を吐いた。白布はそんな私を気遣わしげに見つめる。
「お前今までうまくやってきたんだろ?
これもう、結構拡散されてるけど、どうす……」
「あー、いい。いい」
「は?」
だって、やっちゃったモノは仕方ないでしょ。
「この性格にもそろそろ飽きてたんだよ。どうせ知られたんなら好きにやる。もうどうでもいい」
私はそれまで揃えていた足を行儀悪く組んで、わしわしと頭をかいた。
胸ポケットからスマホを取り出し、起動させる。
「……え?
え。
待ってさっきも聞きかけたけど、キミのソレって……」
再び豹変した私に戸惑いを隠さない天童先輩。説明すんのがダルかったから、スマホをいじりながら『白布』と一言だけ言った。
面倒そうに白布が口を開く。
「……天童先輩、コイツのこれは、キレた時限定じゃないんですよ。二重人格とかでもないです。
こっちが素です。コイツはこれで、素なんです」
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美島 - さとりん好きすぎな自分にとってサイコーの癒しです。 (2019年2月14日 23時) (レス) id: 93c27981be (このIDを非表示/違反報告)
友菜 - 親に内緒でスマホ弄ってたけど笑い堪えるの大変だった (2018年11月4日 16時) (レス) id: bdd3fb14b0 (このIDを非表示/違反報告)
千弘(プロフ) - 今読み終わりました!!白布とサトリンのバチバチ感?とかわんちゃんとの絡みとかめっちゃ好きです!!続編も楽しみです!! (2018年1月14日 14時) (レス) id: 99ade87467 (このIDを非表示/違反報告)
俺の嫁は二次元(キリッ - まだ読んでないけど『毒舌冷淡女子VSゴキブリメンタル男子』であ、これ面白いな。((確信))てなった。 (2017年4月3日 8時) (レス) id: 3614360162 (このIDを非表示/違反報告)
あるま(プロフ) - ハクア@受験生だよ辛い…;;さん» うぁああ、ありがとうございます!お陰さまで続編突入です、頑張ります!!(*´∀`) (2017年1月23日 21時) (レス) id: acdd73370f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あるま | 作成日時:2016年11月12日 20時