いい子ちゃんやめたら何か変なのにつきまとわれるようになった【HQ!!】

付きまとってくる25 ページ30

「？………ねぇ、白布ってバレー下手なの？」

「は？んな訳ないじゃん。この白鳥沢でレギュラーだよ？んでそんな事思ったんだよ」


観覧席。しばらくバレー部の練習を見ていた私は、隣のわんちゃんに話し掛けた。

けれど私の問いは全くもって検討外れなものだったようで、訝しげな顔をされてしまった。



「だって、さっきからサーブミスりまくってるから」







「っだぁ！！？賢二郎フザケンナ！！何回俺の後頭部にサーブブチ込みゃ気が済むの！！」

「すみませんーちょっとー手元が狂ってー」







「ほら？」

「……あれはわざとだろ、アイツも性格わりーなぁ」



若干引きつった笑いを浮かべ、わんちゃんは私を見た。




「アンタが無防備に天童先輩にキスされたことが気に食わないんだろ」

「！」



わんちゃんにも見られてたのか。あれ。



「それがどーいう感情から来るモンなのかあたしには図りかねるけど。


佐々木は何とも思わなかったの？キス」

「や、別に」

「わ……、まじか。何で？普通意識したり照れたりしない？」

「………相手があの天童先輩ってこと、忘れた？

あの人にとっちゃ『コミュニケーションの一環』なんでしょ。

それにあのくらいなら父さんに昔されまくってたし」




いちいちバカみたいに反応してらんない。そういうの、疲れんだよ。





そう言うと、わんちゃんは「つまんねーなぁ」と困ったような顔で笑った。

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