いい子ちゃんやめたら何か変なのにつきまとわれるようになった【HQ!!】

付きまとってくる20 ページ24

散々な一日だった。

それはもう、言葉の意味通り。



わんちゃんは、あれから本当に一日中私に付きまとってきた。

昼休みだって、白布と別れてからタイミングを見計らったかのように現れてそこからずっと私に引っ付いたきりで。

あんなに私に対して威嚇しまくってたくせに、どういう心境の変化なんだろう。多分、一生かけて考えても私には分からない。






でも、ようやく一息つける。


わんちゃんはバレー部の見学に行ったらしい。愛しの『若サマ』を見に行くとのこと。

当然の如く私も誘われたけど、光の速さで断った。大体私は今日部活に出る気でいる。


(アトリエ、アトリエ)



別館にあるアトリエに足を踏み入れ、そこに置いてあるスケッチブックやらを持ち出す。

荷物はとりあえず棚の上に置いて、鞄の中からはカメラだけ取り出して首からそれを下げる。


誕生日に母さんから買って貰ったいいヤツなんだな、これが。



これで被写体やら何やらを撮って、後からデッサンするのだ。本当はまんま見て描くのが一番なんだけど。



他の部員たちはもうすでに出払っているらしくて、アトリエには私一人。

さっそく私もアトリエを出ようとドアに手を掛けた瞬間。




「！」




私が開けるよりも早く、扉が開いた。

よかった、あと少し体を引くタイミングが遅かったら頭ぶつけてるとこだった。




「ちょ……あっぶないな、誰＿＿＿＿……」



開いた扉の先を見て、私は肩眉を上げた。

そこにいるのが、意外な人物だったからだ。




「あれ…、……確かあんたは………」

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