付きまとってくる14 ページ18
「しっ……つこい!!」
「へへ、ありがと照れる」
「褒めてねえ!!」
もしかしたら実体験している人もいるかもしれない。
体育のバスケってさ、部活とか、そういうのみたいにマジになってルールとかに厳しいやつじゃ無いんだわ。
バスケのルールってほら、面倒だから。
まぁ、実際試合とかでも反則なんてザラだと思うし、いちいち体育の授業内での活動くらいでごちゃごちゃ言ってらんないけど。
つまり。
「っ!」
言わばここは無法地帯そのもの。相手が悪いだけかもしれないけど大抵そう。
トラベリング、ホールディングその他諸々当たり前。
「ったく、ワンちゃんは体当たりが好きだねえ。
ご主人様にじゃれてるつもりならちょっとやり過ぎなんじゃん?」
「余裕かましてねぇで真面目にやれよ。ほらほら、……決めちゃうぞーっ………と!」
「させるかボケ調子乗んな」
ここでワンちゃんに決められたら私のチームが負ける。それはごめんだ。
スコアボードを見れば、両チーム同点。
残り時間はあと_____……二十秒。
___ぐっと溜めて飛び上がる。指先が、リングに向けて綺麗に放たれたボールに触れた。
「!クソッ」
軌道が逸れたボールは、ゴールには入らずバウンドする。
そのままボールを奪って駆け出そうとして、気づいた。
「……」
ゴールを決めようとした、ワンちゃんの体勢。その綺麗な線が視界の端でほんの少し崩れる。
あれなら持ち直してまた仕掛けてくるな。
そう思った瞬間。
「!」
目があった。不敵な笑み。不自然に崩れる体のバランス。
(まさかコイツ、わざと)
『ばー……か』
口パクでそう言われて、私は___
___ボールを思いきり自分側のゴールの方向へとぶん投げ、無理矢理体を捻った。
「はぁ!?っ」
「…………大丈夫?いきなりこけそうになるからさぁ」
捕らえた細腕。驚愕に見開かれる瞳。
ボールは描く。一直線に、歪み無い軌道を。
私は、多分入学以来したことのなかったであろう、実に外道極まりない顔をしていたと思う。
「ズルは関心しねぇなぁ?
……潰すぞ犬っころ」
ワンちゃんの顔がひきつったのと。
試合終了のブザーが鳴り響いたのと。
私の放ったボールがゴールに入ったのは、同時だった。
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美島 - さとりん好きすぎな自分にとってサイコーの癒しです。 (2019年2月14日 23時) (レス) id: 93c27981be (このIDを非表示/違反報告)
友菜 - 親に内緒でスマホ弄ってたけど笑い堪えるの大変だった (2018年11月4日 16時) (レス) id: bdd3fb14b0 (このIDを非表示/違反報告)
千弘(プロフ) - 今読み終わりました!!白布とサトリンのバチバチ感?とかわんちゃんとの絡みとかめっちゃ好きです!!続編も楽しみです!! (2018年1月14日 14時) (レス) id: 99ade87467 (このIDを非表示/違反報告)
俺の嫁は二次元(キリッ - まだ読んでないけど『毒舌冷淡女子VSゴキブリメンタル男子』であ、これ面白いな。((確信))てなった。 (2017年4月3日 8時) (レス) id: 3614360162 (このIDを非表示/違反報告)
あるま(プロフ) - ハクア@受験生だよ辛い…;;さん» うぁああ、ありがとうございます!お陰さまで続編突入です、頑張ります!!(*´∀`) (2017年1月23日 21時) (レス) id: acdd73370f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あるま | 作成日時:2016年11月12日 20時