いい子ちゃんやめたら何か変なのにつきまとわれるようになった【HQ!!】

付きまとってくる10 ページ14

予想以上にあの動画はいろんな人の所に出回っているらしくて、私は朝から嬉しくもない洗礼を受ける事になった。



「佐々木さんてあんなに強くモノ言う人なんだね！」

「控えめで清楚だと思ってたのに、なんか見直しちゃったかも」


「……えぇ、でも俺は前の佐々木さんの方が…」

「なんか、表情とかもキツくなっちゃったよね。話しかけにくい」

「ちょい、こえーよな」




まぁ、人によって反応は千差万別。


どうでもよかったから全部スルーした。聞こえてても聞こえてなくても。



固定の友達、というものは前からいなかったから、ボッチも今更って感じだ。

いや、ちょっと違う。今は＿＿


「さーさきチャンっ」

「わー先輩何でいるんすか？ボッチっすか？ボッチっすか？構ってもらえずに私の所へ来たわけですか可愛いですねーよしよし」

「わはーっ、もっと撫でて！！」

「………はぁ」

「ちょ、溜め息つかないでよ！」



私の席の、前の人の椅子を勝手に借りて座っているのは天童先輩。


昨日だけならまだしも、今日もかこの人は。


「……つか先輩が二年のクラスにいるとすげぇ目立つんすけど。どっか行ってくれません？」

「やだ！」

「うざ」

「ひどーいなぁ佐々木チャンてば」


ひどい、と言いつつも顔は笑っている。内心絶対何とも思ってないだろ。




「ねぇ佐々木チャン、そーいえばね、俺ね」

「はい？」

「佐々木チャンに絵のお礼しようと思って！」

「まじすか」

「そう！はい、これ！」

「いらねぇ」




貰ったのは『MI☆RA☆KU☆RU☆覚〜ばっきばっきに折れ〜』と無駄に達筆で書かれたCDだった。割った。





＊＊＊
　

MI☆RA☆KU☆RU☆覚〜ばっきばっきに折れ〜



作詞:俺

作曲:俺

編曲:俺

あと色々:俺

つまり:俺




「意味わかんない」

「何も割ることもないでしょうに」

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