thirteenth game ページ15
『“背景推理”』
10、毒を食らわば皿まで
___この殺人鬼の生活を最後まで終わらせよう___
クロノスの誕生日
最初で最後の物語
梅雨の空気が彼の部屋に届く……
「……あ……んっ……」
目を開けて窓を見る……
「……じめじめとしてるな……」
開けていた窓の枠で腕を組んで空を見上げる。
「……君は好きだったね…雨」
クロノスは目を閉じて、
ソフィアのある言葉を思い浮かぶ。
『クロノス、雨好き?』
『いや、ちょっと苦手』
『ええ〜、でも私好きよ』
『なんで?』
『…雨の音で何にも聞こえなくなるから』
閉じていた目を開けて独りぼっちの部屋に彼の言葉が響く。
「……そうだな……ソフィア」
胸の奥が熱いもので溶かされたのか……
彼の目には、透明な涙と黒い涙が出てきた。
純粋な彼の気持ちと歪み始める彼の気持ち
「……今日は……最後に何やろうか…」
ベッドの脇に置いてあるチェストの上に置いてある写真をひと撫でした瞬間、
ドクンッッッ!!!!!!!
「!!!!!ぐっ…あっ………ッ!」
突然の痛みに襲われ、
そのまま寝室の床に倒れ、もがく。
そのもがき続けるクロノスに
自身の身体が溶けていく感じに違和感を感じる。
「ハァッ!……まずい……」
そう……俺の身体は“死んだ時”の身体はひどい
足はゆっくりと歪み始めてあちこちにガスが出る。
腰は血が溢れ何かの黒いヘドロが出てきた。
腕は全て溶けてしまった。
顔は両目からは黒い涙に片方の頰がゆっくりと溶け始める。
自身の身体が溶けていく中、
今日が卒業式という生徒にはおめでたいものがあったことに気づく
そうだ……あの2人は元気だろうか、
「……2人の顔を見ておけば…………
良かったな……」
その言葉を残しクロノスは大量の毒を飲み、毒殺
同時に彼が一度死んで、また生き返る。
彼の苦しい物語が終わり、
新たな物語が始まろうとしていた。
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緑茶部長(プロフ) - しばらくの更新をサボってごめんなさい…… (2020年4月9日 16時) (レス) id: ea2137b476 (このIDを非表示/違反報告)
キャラメル中毒者 - 更新頑張ってください! (2019年10月25日 22時) (レス) id: e8ca574508 (このIDを非表示/違反報告)
緑茶部長(プロフ) - 緤那さん» わああああ、ありがとうございます!感動したお話に出来ているかなと内心作ってて思ったんです〜………わあ〜有り難いお言葉です!これからもこの小説をよろしくおねがいします! (2019年8月15日 19時) (レス) id: ea2137b476 (このIDを非表示/違反報告)
緤那 - なんかこう…言葉では表せないけど泣けました…とても私好みのお話です!更新応援してます! (2019年8月15日 15時) (レス) id: 6dcf6f54f1 (このIDを非表示/違反報告)
緑茶部長(プロフ) - 話が噛み合わなく削除しましたが、新しいものを書かせていただきました!13ゲームの1話です! (2019年8月2日 18時) (レス) id: ea2137b476 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:緑茶部長 | 作成日時:2019年7月24日 10時