喧嘩 ページ8
優斗said
アリーナツアーに向けて日々着々と準備を進めているのだけど…
『もっとここはこうしたほうがいいと思う』
猪「でもそれだとここの良さが出なくない?」
『だからそれはこっちでカバーしたらいいって言ったじゃん』
猪「でもそこは」
『でもでもって、さっきから代替案出してるのにそんなふうに言わないでよ!』
猪「さっき話したことと同じこと繰り返してるから指摘してるだけだよね」
涼「あっちゃー」
瑞「2人ともヒートアップし過ぎだって」
『そやさんのばか!』
ばたばたと部屋から駆け出していってしまったA
優「ちょ、俺いってくるわ」
いつも意見交換会をするとガリさんとAは
ヒートアップして衝突してしまう
2人ともそれだけ熱量があって
伝えたい気持ちが上手く分かり合えなくて
こうなっちゃうんだけど
優「…いた」
喧嘩した後、Aがくるのはいつもこの自販機の脇
体育座りして、膝に顔を埋めて静かに泣いているんだ
「A、戻ろ」
『………私悪くないもん』
喧嘩した時のAはいつにも増して年下って感じがして
こんな時になんだけど、
そんなAを独り占めできてる気がして嬉しくなる
優「Aもガリさんも悪くないよ」
『…否定ばっかりされると嫌になるの』
優「そうだよね、2人ともライブ良くしたいだけだよね」
『うん…』
優「そうやって伝えてさ、仲直りしたら、他にもっといい案出てくるかもよ?」
『そうかな』
優「そうだよ、…だから一緒に戻ろ」
頷いたAは立ち上がると
歩き始めた俺の服をきゅっと引っ張った
『…ぎゅって、して』
目に溜めた水滴を拭き取って、ぎゅっっっと力いっぱい抱きしめる
『ゆぴ、くるしい』
優「へへ、戻ろっか」
『うん』
〜
『ごめんなさい』
猪「…俺もごめん」
『否定ばっかりして欲しくない』
猪「俺もちゃんと話聞いて欲しい」
『それはちゃんと話すって言おうとしてるのに途中で割り込んでくるじゃん』
猪「話しても聞かないからだよね?」
瑞「あーあーあー!もう!」
涼「ストップだよ〜」
戻ってからも一悶着ありそうだったけどそれが俺らのやり方だし
これが俺らのHiHi styleってことなのかな
·
263人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ちょむりん | 作成日時:2023年4月8日 22時