【D.gray-man】白桜の如く ― 己の道を歩む者 ― (ページ10)

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『 Stray child ７』ページ10

――『迷子』

『………。』

私は手を耳辺りまで上げて、鼻先で止まっている刀の刃。ちょっと、目線を上げれば殺気が詰まった鋭い目。
美形なのに勿体無いなぁ～……神田くんよぉ～。

「何か言ったらどうだ？…斬られてねぇのか？」

いやいやいや、絶対私が斬られたくないっ！て
言っても斬るつもりでしょ！この人は！！
私は半分半泣き状態で目を泳がせていた。
そして、さっきまでの時間を戻していた。

『(何故こうなってしまったんだ……ごらっ)』

それを説明するにはしばし時間を遡らなければ
ならない。

＊

『……うぅ～～』

本日、私、白崎Aはいい歳こいて……迷子になりました。はい。
くそぉ～、流石、迷路の地下通路……至る所に道があり。どれが、出口なのかすら分からない。
何週間前でララ編読み返して、｢アレン迷っちゃってるよ！普通迷わないよ～！｣って言ってた自分殴る。マジふざけんなよ！

『とりあえず、ララの歌声でも聞こえないかな？』

そんな呑気な事を考え、私は少し耳を澄ました

『(何か聞こえる？……)』

そう、聞こえた。人と人が話す声。
私はてっきりララとグゾルかと思い飛び出した。が、的外れ。
神田とトマ(って言ったっけ)のアレンが二人居た。まさか、この場面って……

「そっちのトマがアクマだ神田っ！！！！」

その瞬間、レベル2のAKUNAが元の姿に戻り
神田を殴ろうとした……そこを私が【氷華】を抜刀しガードした。が、あまりの威力に向こうの壁まで押し込まれてしまった。

前をばっ!!と見るとアレンがAKUNAの下半身と上半身をお別れさしていた。
仕留め損ねたが…【氷華】＋アレンの攻撃を受けたんだ大分ダメージは受けているだろう。

私はその事を考え過ぎて、忘れていた。
一人、私のとっバッチリを受けた奴が。

「テメェ！！誰だよ！！退け！！」
『あ、悪い！神田！！』

その瞬間、私ははっ……となった。
目の前には目を丸くして驚いている、神田。

うん、そりゃ、そうだよ。
だって、”会った事の無い人が急に自分の名前を読んだら”誰だってそんな反応をするさ。

「テメェ、誰だ？何で、俺の事を知ってる！」
『ひぃぃい！！』

すると、向こうの部屋から石の残骸を飛び越え
て来た、アレンが来た。