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『 disciple 27 』 ページ33

――『使徒』

「えーと、ここがお風呂場。
ここが食堂、好きな物が食べられるから!」

そう言って、黒髪を狼の尻尾の様に揺らす
リナリーは綺麗と言ってもいい。
今、私は道を色々と教えてもらっている。
うわ、今私死んでもいいっ!と心の中で叫ぶ程今は心が浮き足立ってる。

「それで、ここ……?あれ、兄さん?」

キョトンとするリナリーはマジ……天使…。
そんなベストポジションでニヤニヤしていると
コムイさんが「リナリーっ!!」と言って走って来た。

「ちょっと、恥ずかしいよ兄さん!」
「ごめんよ、リナリー。つい。」

そう言ってリナリーの頭を撫でながら
私の方を向いた。

「白崎ちゃん。ちょっと、僕について来てくれる?」

私は少し沈黙し、リナリーを見た。
今、リナリーとの幸せタイムなのに、ここで
行けば一瞬にしてそれは消える。

だけど……だけど……っ!!

『……ごめん。行っていい?リナリーちゃん?』

私は結果的にその方向に行ってしまった。
あぁ、さようなら。幸せタイム。

「うん!いいよ!」その可愛い声と共に
本当に幸せタイムは幕を閉じた。



『どこに行くんですか、コムイさん?』

そう聞くとコムイさんは少し笑って

「君のその刀イノセンスでしょ?」

【氷華】の装飾を指で軽く弄り、私を見る。
私は軽く頷き、キュと【氷華】を持った。
冷たい。だが、何処か「彼」の体温と同じ。

『これをどうする気ですか?』

ビクビク聞く私に対してまたもや笑うコムイに
頬を膨らましながら睨んだ。
コムイは肩を竦ませる。

「別にとって食おうなんて思ってないから大丈夫!」

私は『ホントですか?』と疑いの目を向けて
言った。コムイは「ほんとほんと」と言う。
でも、な、なんか怪しい……。

そう疑いの目をしていると、コムイさんは
困ったような顔で私を見た。


「ただ、その使徒は教団のお気に召すかと
言う話だよ?………」


そう言うと悪戯しく笑った。

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作者名:水狼 x他1人 | 作成日時:2015年5月27日 9時

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