『 disciple 27 』 ページ33
――『使徒』
「えーと、ここがお風呂場。
ここが食堂、好きな物が食べられるから!」
そう言って、黒髪を狼の尻尾の様に揺らす
リナリーは綺麗と言ってもいい。
今、私は道を色々と教えてもらっている。
うわ、今私死んでもいいっ!と心の中で叫ぶ程今は心が浮き足立ってる。
「それで、ここ……?あれ、兄さん?」
キョトンとするリナリーはマジ……天使…。
そんなベストポジションでニヤニヤしていると
コムイさんが「リナリーっ!!」と言って走って来た。
「ちょっと、恥ずかしいよ兄さん!」
「ごめんよ、リナリー。つい。」
そう言ってリナリーの頭を撫でながら
私の方を向いた。
「白崎ちゃん。ちょっと、僕について来てくれる?」
私は少し沈黙し、リナリーを見た。
今、リナリーとの幸せタイムなのに、ここで
行けば一瞬にしてそれは消える。
だけど……だけど……っ!!
『……ごめん。行っていい?リナリーちゃん?』
私は結果的にその方向に行ってしまった。
あぁ、さようなら。幸せタイム。
「うん!いいよ!」その可愛い声と共に
本当に幸せタイムは幕を閉じた。
*
『どこに行くんですか、コムイさん?』
そう聞くとコムイさんは少し笑って
「君のその刀イノセンスでしょ?」
【氷華】の装飾を指で軽く弄り、私を見る。
私は軽く頷き、キュと【氷華】を持った。
冷たい。だが、何処か「彼」の体温と同じ。
『これをどうする気ですか?』
ビクビク聞く私に対してまたもや笑うコムイに
頬を膨らましながら睨んだ。
コムイは肩を竦ませる。
「別にとって食おうなんて思ってないから大丈夫!」
私は『ホントですか?』と疑いの目を向けて
言った。コムイは「ほんとほんと」と言う。
でも、な、なんか怪しい……。
そう疑いの目をしていると、コムイさんは
困ったような顔で私を見た。
「ただ、その使徒は教団のお気に召すかと
言う話だよ?………」
そう言うと悪戯しく笑った。
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作者名:水狼 x他1人 | 作成日時:2015年5月27日 9時