『 amygdala 26 』 ページ32
――『返答』
いつの間にかラビは私の胸ぐらから手を話し
呆然と言う言葉が似合う様な雰囲気で立ち竦んでいた。かく言う、私もだ。
「(あぁぁぁ!すげぇ、恥ずかしい回りくどい事ばっか言っちゃったよ!)」
これぞ、まさに「穴が有ったら入りたい」という事か……と私が感じたのはそんなに長くもない未来の話だ。
だが、私が作り出したどうにも言えない空気が
モンモンとコムイの室長室に充満している。
お願いだ!誰か喋ってくれ!
心中ではそう思うも、何も誰も喋ってくれない。そろそろ、羞恥心に負けて半泣きになりかけた時、長い沈黙に終焉をもたらしたのがコムイだった。
ぬっ…と伸びる大きな手。思わず、目を瞑る。
「うん!いいよ!」
『うへ!?』
前を見るとにこっと笑っているコムイ。
横を見れば女神の様に微笑んでいるリナリー。
あぁ、なんで、こんなにもこの人達は優しいのだろう。私は少し心の中がきゅーとなった。
『え!えっ!うへっ!?ま、マジですか!?』
混乱する私に対して二人は笑った。
家族みたいに友達みたいに。
「ごめんね。白崎ちゃん。
あんな、回りくどい事言っちゃて。
ちょっと、君の事を知りたくなって……。」
『い、いや。私も……回りくどい事を…………。』
へこへこと頭を下げる。
すると、コムイさんは言う。
にっこりと、ホッコリと。
「いらっしゃい!黒の教団、いや、
家(ホーム)へっ!!…………」
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作者名:水狼 x他1人 | 作成日時:2015年5月27日 9時