『 scenario ２５ 』 ページ30
――『シナリオ』
「そうだね……だったら……
どうやったら、千年伯爵のシナリオを壊すと事が出来る？」
その声は大人びていて、声だけでは最初誰だか
分からながったが、振り向いた時に分かった。
白色の団服にくりん。としたくせ毛。コムイ。
私は少し声を飲み込んだが、言い放った。
『私は神からのプレゼンでも何でもない……。
……何故、そんな事を私に聞く？？』
そう言うとコムイはくつくつと笑った。
私はコムイの初めて見る笑い方に少し警戒線を
心の中で張った。
「神からの、贈り物ではないとしたら君はなんだい？君は全ての運命を知ってるんだろ？
ねぇ……トリップ少女さん」
まいった。確かにコムイに呼ばれたのは確かだが、私はこのまま行けばエクソシストになってしまう。それも、イイのだが……強力物語に関わっている者達とは接触したくない。
情が移るのは嫌なんだ。
私はそっと笑った。
『確かに私はトリップした者だ。』
すると、ラビは目をまん丸とした。
だが、何処かで腑に落ちたのかまじまじと私を
見る。実験用のモルモット扱いみたいだ。
『でも、私は全てが全て知ってる訳じゃ無い。もし、私のそのシナリオの運命とやらを知りたいのなら…教えましょう。』
だけどっと、続けた。
『………その現実をその運命を悲惨を一気に受け止める覚悟はおありですか？コムイさん。
もしかしたら、明日、リナリーさんが死んでるかもしれない、もしかしたら、ラビさんやアレンや神田も……』
また、続けようとしたがラビは私の胸ぐらを
掴んだ。怒りに満ちた目。
コイツは何なんだ！？と言う怪訝な目に私は
背ける事も無く、じっと見据えた。
コムイは言う。
「君は何が言いたいんだい？」
『怖いですよね。
まだ、皆だって、少年少女だ。未来がある。
だったら、ララの時も言った様に、私が皆さんの盾になる。皆さんの剣になる。』
情が移るのはゴメンだとか、言ってたくせに
私は………もう、とっくのとうに…情なんか……
『私もエクソシストにしてください。』
移ってるじゃないか。
「彼」だったら、素直に入れてくださいと言うのだろうか？
いや、「彼」はそんな事、言わないな。
だって………素直じゃないもん。
だけど、最後には正義のヒーローみたいに
皆を助けてくれた。
私を、迷子の時、見つけてくれた。
だったら、私は……こんな腐ったシナリオなんて
ぶっ壊して。
また、君に会いに行く。
今度はエクソシストと言う十字架を背負って。
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作者名：水狼 x他1人 | 作成日時：2015年5月27日 9時
