検索窓
今日:9 hit、昨日:10 hit、合計:33,345 hit

『 kakotogenzai19 』 ページ22

――『過去と現在』

私はすっ……と目を開けた。
あぁ、とんだ不幸だ。それしか、私の口からは
言えなかった。神を恨んだ妻、メオリス。
目線を前に向けるとおばあさんは薄らと涙を
流していた。

『すいません。辛い事をお話させてしまって』

ペコッと頭を下げる。
おばあさんは「いや、気にしないで。あなたに言ったおかげで心が少しスッキリしたわ。」と
笑を浮かべて笑う。
すると、扉がぎぃ〜と無機質な音が響いた。
中から出てきたのは車椅子に乗った、一人の
女性だった。
栗色の明るい髪、粉雪の様な肌、血色の良い
唇。
たが、何処か生気が感じられなかった。

「あら、珍しいのね。メリが部屋から出るなんて……喉でも乾いたの?」

そう言うとメオリスと言う女性は
乾いた声で「ウン……」と答えた。
嫌な予感がする。
おばあさんがキッチンに飲み物を取りに行った。その間、私は鋭い視線を感じて落ち着かなかった。

「君ハ、ダレ?」
『あ、すいません。名乗りもせずに……
白崎Aです!』

そうニコっとして返すと、メオリスと言う
女性は無表情のまま「ソウ……」と言った。
また、続く沈黙に私は焦りを感じているとじー
とメオリスさん(?)の視線が【氷華】にいっている事が分かった。

『気になります?』
「ナニ……ソレ?」

私はむやみに抜刀していいものかと思ったが
純白の鞘から刃を抜き、刃を見せた。

『これは、刀型のイノセンス。
名は【氷華】って言います。』

紹介した後に私は刀を収めた。
チャリ……と鳴った、刀の装飾。

「イノセンス……」

深いドブ溝の所に一個の石ころが落ちた様な
深い深い腐った声だった。
すると、おばあさんが一つの珈琲を持ってきた
ことっ……と机に置く。
それと同時にメオリスさんはただ一言言った。

「オ腹ガ減ッタ……。エクソシスト……。」

ただ、そう言うと、目を閉じた一瞬で
丸い球体が宙に浮いていた。
私は悪寒が電撃を受けたかの様になり、急いで
おばあさんの側に走りよったが、アクマの弾丸がおばあさんのお腹を撃ち抜いた。

『あっ…………』

頬。腹。顔。手。足。侵食は人間では止められない。私は涙をつぐみながらただ、おばあさんがペンタクルに侵される姿しか見えなかった。

『あ、あ”ぁぁぁぁぁあ!!!!!』

喉が潰れるぐらいに泣き叫んだ。
すると、コツッ……と足音が一つ鳴り響いた。


《人の泣き声ほど、胸がトキメキする物は
ありませんねぇ♥》

『 formerly hakusyaku 20 』→←『 ningyou 18 』



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (24 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
34人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:水狼 x他1人 | 作成日時:2015年5月27日 9時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。