『 do not care a bit 12 』 ページ15
――『どうでもいい』(side神田)
《イイねぇ〜青い空。エメラルドグリーンの海。ベルファヴォーレイタリアン♪》
ねっちこく、言うコムイ。
電話越しにでも相当仕事が溜まって教団から出れていないんだろうだが、同情なんかするか。
俺は電話をさっさときりたく淡白に言った。
『だから何だ』
すると、コムイは気味の悪い高笑いを軽くした。何だ、コイツ。
俺は青筋を薄く立てながら無言状態を決め込んだ。あぁ、めんどくせェ…………。
《「何だ?」、フフン♪
羨ましいんだいちくしょーめっ!!アクマ退治の報告からもう三日目!!何してんのさ!
ボクなんか、皆にコキ使われて外にも出られない……まるで、お城に幽閉されたプリンセ……》
『わめくな、うるせぇ』
ぶちっと電話機を切りそうになる手を腹に刺さっている点滴をびりっ!と無造作に取り電話に怒りをぶつけた。
『文句はアイツに言えよ!つか、コムイ!
俺アイツ(もやし)と合わねェ!』
そう言うとコムイはその答えを分かりきった様にケロッとした声で言葉を返して来た。
《神田くんは誰とも合わないんじゃないの?
で、アレンくんは?》
俺はアレンと言う名前を聞いて、ちっと軽い
舌打ちをした。
『まだ、あの都市で人形と一緒に居る!』
あぁ、もう、知るか。
アイツ(もやし)が誰と何処で居ようと、何処で野垂れ死にしようと、殺害されても、俺には関係無い。俺にとっては只の“他人”だ。
そんな事を考えているとコムイが聞いてきた。
《そのララって言う人形……そろそろなのかい?》
『多分な。もう〈アレ〉は五百年動いていた
人形じゃない…………じき、止まる。』
そう言って俺は服を着て、病院を後にした。
だが、次の言葉で俺の足は止まった。
《神田くん。君が言ったトリップ少女ちゃん
戦力になりそうだね……アレンくんに言って連れて来てくれないかい?》
その声は妙に大人びていて、柄にも無く俺は
悪寒を冷やした。
『めんどくせぇ。…………分かった、もやしに言っておいてやるよ。』
そう言って、プツっ……と電話機を切った。
『アイツ…………伯爵の癇に障るンじゃねぇか』
あぁ、今日はホントに柄じゃないことしか
していない。何なんだ。
俺の生きる目的、俺が黒の教団に居る意味
それは全て、【あの人】と会う為だ……。
それ以外どうでもいい。
そう、どうでもいい…………。
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作者名:水狼 x他1人 | 作成日時:2015年5月27日 9時