第一章 『 Destiny 0 』 ページ1
――『運命』
部活が終わり、辺りが暗くなり始めている。
私……白崎Aは急いで幼馴染みを見つけ駆け寄った。平凡な日常。これが、私の日常。
「彼」を読んで駆け寄る瞬間、何時もそう思う
『部活終わったー?』
乱れた横顔髪を耳にかけながら問いた。
一緒に帰る事は日課になっていたが、何故か今日だけは急いで「彼」の所に来てしまった。
何故だろう?………まぁ、いいか。
そう、心の中で自問自答していると
少し走って息の荒い私を見て黒は意地悪い笑を
浮かばせて聞いて来た。
「ん、なに?オレと帰りたかったの?」
「そんなに急いでまで・・・」と付け足しニヤニヤとする。
私は一気に自分の顔が赤色になるのを感じつつ
上から目線の「彼」を少しイジメてやろうと思い、頬を膨らませながら「彼」の頬を抓った。
『そ、そんなんじゃないから・・・ッ!!』
「・・・ふぉう(そう)?」
私は「そうよッ!」と言って、「彼」の頬から指先を離した。指先から上がっていく「彼」の体温。
熱が出たみたく上がっていく体温を感じながら「彼」に背を向け歩き出した。
その瞬間見えた・・・「彼」の体。
『(前はあんなにデカく無かったのに・・・)』
段々と熱が冷めて、肩の木刀入れがズーンと
肩に食い込む。
いつの間にか私の横で歩いている「彼」の横顔はいつになく大人気でかっこよくて……私とは違う雰囲気を醸し出していた。
私の頭を撫でる「彼」
私はその不器用な「彼」を少し弄る。
「ふふん。シオンくんは甘えたさんですかぁ?そうですかぁ!」
「・・・黙れ」
「あべしッ」
変わっていく。「私」と「彼」。
『ねぇ、今回のDグレ見た?めっちゃ面白かったよね!』
「・・・そうだな。」
いつか、「彼」の隣は「誰か」の物になる。
考えたくも無いし、見たくも無い・・・けど
「彼」が幸せだったら私はそれで十分だ。
でもね。神様。私のお願いを聞いてくれるんだったら後少し、少しだけでイイ
『まだ、隣に居させて・・・……………』
その願いが泡の如く消えてしまうなんて
思いもしないんだろうな。
”『Clowning sorotta monogatari hazimeyou』”
(さぁ、道化は揃った……物語を始めよう)
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作者名:水狼 x他1人 | 作成日時:2015年5月27日 9時