�� - 006 悪いことをした時点で、すでに審判を受けている ページ20
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「おはよう。刀」
事前に言うと気が触れた訳では無い。笹に包んだ三つのおにぎりを両手に広げて依然として岩肌に突き刺さったままの妖刀に頭を下げ、挨拶をしたAは鱗滝の激励が余程嬉しかったと見える。
あの日より彼のことを「父さん」と呼び師匠と慕い尊敬の念を常に頭上に置くようになった。義勇と錆兎の前で初めて彼を父さんと呼んだ時には酷く驚かれたが、今では二人ともAの声色で紡がれる「父さん」を楽しみにしている程である。二人が鱗滝とAが好き過ぎる感はあるが平和なので良しとする。
刀と向き合うように正座して笹を膝の上に置き、おにぎりをひとつ手に取る。
「今日は塩と梅、
楽しそうに前髪を揺らして日常を語り聞かせるAの顔に偽りや装いなどは欠片としてなく、本当に心の底から刀との触れ合いを尊い時間だと感じている事が伝わって来る。
Aならば刀を抜くことが出来る。と鱗滝は断言していたが未だに抜けてはいない。初日、両手で踏ん張ってなんとか抜いてみようと力を込めたがびくともしなかった。もしかしたら長い間ずっとこの姿勢で疲れているのかもしれないと感じたAは、まず慣れることから始めようと思い立ち、そして今に至る訳だ。
「刀と話してるのか」
義勇でも錆兎でも無論鱗滝でもない低い声に振り返る。迷い人なら案内しようと思い「何方ですか」と問いかけたAだったが、その人物の顔を見るや目を軽く見張った。
その人はひょっとこの面を被っていた。鱗滝の天狗とはまた異なった鮮やかな塗装に目を奪われる。数秒間惚けていたが「おい。聞いてるのかお前」と指をさされ謝罪しつつ立ち上がった。
「あの。何方でしょう、深い森で迷われ」
「いい
「あの、お困りなら」
「お前は刀を何と捉えてる」
「ええと」
この人話を聞いてくれない。Aが珍しく困ったふうに眉を下げて肩を竦めている。こんな顔はなかなかしない。稀である。
Aの整った鼻筋に人差し指を突き立て刀とは何かを問うこの人物──声と体格からして男性だということは分かったが、森で迷った様子もなく、しかし刀について熱心な姿勢に混乱する。
「……刀は、心臓だと思っています」
至って真剣に答えると男は暫し停止した後、Aの両肩を勢いよく掴んだ。
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ミルクリ - 初めまして。とても面白かったです。続きが読みたいのですが�兇離僖好錙璽匹魘気┐討い燭世韻泙擦鵑�？これからも応援しております。 (2021年9月21日 12時) (
レス) id: 9baecbdda2 (このIDを非表示/違反報告)
コア - 面白かったです �兇離僖好錙璽俵気┐督困韻襪藩�難いです (2021年6月29日 20時) (レス) id: cdf587c2d2 (このIDを非表示/違反報告)
莉亜(プロフ) - すごく面白くて一気に読んでしまいました！！！続きのパスワードって教えてもらえますかね？これからも頑張ってください (2021年5月14日 22時) (レス) id: 6a10e782a2 (このIDを非表示/違反報告)
me(プロフ) - おもしろくてとまらなくなりました！守護聖人IIのパスワード教えていただきたいです！ (2020年12月15日 20時) (レス) id: 833cf0aedc (このIDを非表示/違反報告)
糸針シナ(プロフ) - 楓さん» 楓さん、コメントありがとうございます！ひえ〜嬉し過ぎます…！そんな風に言っていただけて後衛の極みです〜！長編が好きなものでこの守護聖人も他作品もすごく長いですが楽しんで頂けたらと思います！短編もあるので宜しければ覗いて行って下さい〜 (2020年3月11日 8時) (レス) id: 2d5e82106c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：糸針
| 作成日時：2019年10月25日 13時
