�� - 001 開かれた心を持て ページ15
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「A、あの子またいない」
「本当だ。相変わらず早起きだな」
Aの包帯が取れ頬の腫れもひいた頃。まだ空が白く霞む早い朝。布団を畳み終えた義勇が宍色の髪の少年の不在に気づきAの袖をちょいちょいと引っ張った。
Aは襟を正してから室内を見回しはて。と顔を傾ける。鱗滝についてはいつも自分達より何時間も前に起きていて、薪割りやら狩りやらといった日課をせっせとこなしているため疑問は持たないのだが。
宍色の少年──錆兎はいつもいつもA達が目を覚ますとそこにいない。朝食にもあまり顔を出さないしそもそも外にいることが殆どだ。
何をしているのか気にならないわけがなかった。というかAはとても心配していた。もしやあの日の出来事を変に負わせてしまっていないかと。
義勇の方は友達になりたいという気持ちが強かった。
「そうだ義勇。少し辿ってみるか」
「辿る？ 辿るって何を？」
「彼の匂いだ。忘れたか？」
私は昔から鼻が利くんだ。と綺麗な鼻筋を指さして小さく微笑んだA。義勇は少しの間ほわっとして何か考えるように斜め上に目線をやって思い出したのか手を叩いて「あっそういえば！ うん！ 覚えてるよ！ 昔言ってた！」と嬉しそうに笑った。
じゃあ決まりだ。と二人で外に出る。
途中すれ違った鱗滝から「後で山を登るから体力を消耗しすぎないように」と言われたので揃って頷いた。
「こっち？」
「嗚呼。この辺りから香る」
「あっ、あれかな、見える？」
「見えた。あれだな。おーい」
A声かけるの早いっ。と義勇があんぐりする。
草陰を抜けつつ日向のような笑顔で林の中一人突っ立っていた錆兎に歩み寄って行くAはやはり強いと思った。義勇も慌ててその背中を追いかける。
錆兎は仰天たっぷりに目を丸めて固まっていた。
「おはよう。錆兎。早起きで偉いな。それは木の棒？」
「っなんでもない」
バッと背中に木の棒を隠した。まるで剣を握るようにそれを構えていたのを義勇は目にしていたのだが口には出さなかった。錆兎の態度を見るにバツが悪そうだと思ったからだ。しかし。
「剣のように握っていたが、錆兎は刀を振るった事があるのか？」
(A！ 真っ直ぐ！ かっこいい！)
心さらけ出し代表のような人間のAからすれば関係なかった。
やはり図星のようで錆兎の顔は少し赤らんでいた。知られたくないことを言い当てられたのだ。諦めたのかそうだ。と頷いた。
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ミルクリ - 初めまして。とても面白かったです。続きが読みたいのですが�兇離僖好錙璽匹魘気┐討い燭世韻泙擦鵑�？これからも応援しております。 (2021年9月21日 12時) (
レス) id: 9baecbdda2 (このIDを非表示/違反報告)
コア - 面白かったです �兇離僖好錙璽俵気┐督困韻襪藩�難いです (2021年6月29日 20時) (レス) id: cdf587c2d2 (このIDを非表示/違反報告)
莉亜(プロフ) - すごく面白くて一気に読んでしまいました！！！続きのパスワードって教えてもらえますかね？これからも頑張ってください (2021年5月14日 22時) (レス) id: 6a10e782a2 (このIDを非表示/違反報告)
me(プロフ) - おもしろくてとまらなくなりました！守護聖人IIのパスワード教えていただきたいです！ (2020年12月15日 20時) (レス) id: 833cf0aedc (このIDを非表示/違反報告)
糸針シナ(プロフ) - 楓さん» 楓さん、コメントありがとうございます！ひえ〜嬉し過ぎます…！そんな風に言っていただけて後衛の極みです〜！長編が好きなものでこの守護聖人も他作品もすごく長いですが楽しんで頂けたらと思います！短編もあるので宜しければ覗いて行って下さい〜 (2020年3月11日 8時) (レス) id: 2d5e82106c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：糸針
| 作成日時：2019年10月25日 13時
