例えばこんな感じ5 ページ5
「ちょっとまって、ここって」
「ポアロだよ？喫茶店！」
キラキラの笑顔の裏には何を思っているのだろうか。
この喫茶店にはあの人がいるかもしれないのに。
心臓の音が聞こえるくらいには緊張している。
「あれ？おねーさん顔赤いよ？…そういえば、おねーさん、昨日もこの前にいたよね。」
トリップしてきたときだ。
知らんわ私のせいじゃない。
「なんでなの？」
下からじっと視線を感じる。
「それより！私もうお腹すいちゃってるの！はやく入ろう！」
「…」
こわ…小学生こわい。
振り切ってポアロのドアを開ける。
大変だ。もっと語彙力のある人間でトリップしたかった。
「いらっしゃいませ」
「安室さん、おはよう」
「おはようコナンくん。…そちらの女性は？」
安室さんだ。
かっこいい。その一言しかない。
私の方を見て微笑む安室さん。
「知り合いのおねーさんだよ。朝ごはん食べに来たの！」
「そうですか、安室透です。よろしくお願いします。」
「よろしくお願いします…」
女子高生みたいにキャーキャーするのは嫌いなので胸の鼓動を押さえつける。
コナンくんが迷わずカウンターに座ったので、このガキ…と思いながらも嬉しかった。
「コナンくん、おねーさんじゃなくてAで読んでほしいんだけど…」
メニューを見るコナンくんに、ずっと気になっていたことを告げる。
「うん良いけど…」
おねーさん、なんて少し恥ずかしかったんだ。
「へぇ、Aさんと言うんですね」
「あっ、はい梶原Aと言います」
安室さんが名前を呼んでくれた…。
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作者名：ねむ | 作成日時：2018年4月18日 23時
