【安室透】はじめての愛されとりっぷ (ページ1)

今日:6 hit、昨日:0 hit、合計:58,884 hit

例えばこんな感じ1 ページ1

もう終わったと思った。

私ももうダメになったんだなって。

目の前に、「毛利探偵事務所」があるから。

「…頭おかしくなっちゃったのかな」

夢じゃないことくらいすぐ分かるのに。

こういうのなんて言うっけ。

「とりっぷ…」

そうトリップ。たぶん。

とっても素敵な作品なんだよね、私もたまに見たりしてる。

少しだけトリップが嬉しいかもしれない。

「とりあえず、持ち物…」

冷静に、衣服のポケットなどを探る。

今気づいたが、身につけているものはトリップする前のものだ。

なんでトリップしたのかわからないのだが。

身につけているガウチョパンツのポケットから何かをとりだす。

スマホだった。

「これ…私のじゃない」

使い古されたスマホじゃなく、新機種のきれいなものになっている。

適当に操作してみるが、新品と同じようで、アプリどころか手がかりになるものはなかった。

「日記がついてる…？」

気づいたのは1件の日記。

今日の日記になっている。

もちろんつけた記憶はない。

日記には住所が記されてあった。

カーディガンのポケットを探ると鍵が出てきたので、きっと私の家となるものだろう。

なんて親切なんだろう。

不安が少し減ったようだ。

まずは家に行ってみようと思う。

「でも家の場所がなぁ…」

「おねーさん、家わかんないの？」

さっそくだ。この声は

某死神だ。

.